割り当て制限を変更して、ユーザーが使用するディスク容量と i ノード数を調整できます。または、必要に応じて各ユーザーから、あるいはファイルシステム全体から割り当て制限を削除できます。
次の表で、割り当て制限を変更または削除するのに使用するコマンドを示します。
表 7–3 UFS 割り当て制限を変更または削除するコマンド
コマンド |
マニュアルページ |
説明 |
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edquota |
各ユーザーについて i ノード数とディスク容量の強い制限と弱い制限を変更します。また、割り当て制限を設定した各ファイルシステムの弱い制限値を変更します。 |
|
quotaoff |
指定したファイルシステムの割り当て制限を無効にします。 |
デフォルトでは、ユーザーはある週の UFS 割り当て制限に対する弱い制限値を 1 週間超えることができます。弱い制限値を 1 週間よりも長く超えると、システムはそのユーザーに対し、i ノードとディスクブロックの使用を禁止します。
edquota コマンドを使用すると、ディスク容量または i ノードの割り当て制限をユーザーが超えることのできる期間を変更できます。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように割り当て制限エディタを使用して、弱い期間制限値を含む一時ファイルを作成します。
# edquota -t |
-t オプションは、各ファイルシステムの弱い期間制限値を編集することを示します。
期間制限を、0 (デフォルト) から指定する値に変更します。 数値とキーワード month 、week、day、hour、 min または sec を使用します。
この手順は、現在のディスク割り当て制限違反者には影響しません。
次の例は、edquota コマンドによって開かれた一時ファイルの内容を示しています。このシステムでは /export/home だけが割り当て制限を持つマウント済みファイルシステムであることを示しています。デフォルト値 0 は、デフォルトで 1 週間の期間制限値が使用されることを意味します。
fs /export/home blocks time limit = 0 (default), files time limit = 0 (default) |
次の例は、ブロック割り当て制限の超過に対する期間制限値が 2 週間に変更されたあとの、上の例と同じ一時ファイルの内容を示しています。また、ファイル数の超過に対する期間制限値は 16 日に変更されています。
fs /export/home blocks time limit = 2 weeks, files time limit = 16 days |
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように割り当て制限エディタを使用して、一時ファイルを開きます。このファイルには、ファイルシステムのルートディレクトリに quotas ファイルがあるマウント済みファイルシステム 1 つにつき 1 行ずつのエントリが含まれます。
# edquota username |
username は、割り当て制限を変更したいユーザー名を指定します。
edquota コマンドの引数として複数のユーザーを指定できます。ただし、表示される情報がどのユーザーに属するかは示されません。混乱を避けるため、ユーザー名は 1 つだけ指定してください。
1K バイトディスクブロック数の弱い制限値と強い制限値、および i ノード数の弱い制限値と強い制限値を設定します。
ユーザーの UFS 割り当て制限が正しく変更されたことを確認します。
# quota -v username |
ディスク割り当て制限が有効にされている、すべてのマウント済みのファイルシステムについて、ユーザーの UFS ディスク割り当て制限情報を表示します。
割り当て制限をチェックしたいユーザー名を指定します。
次の例は、 edquota コマンドで開いた一時ファイルの内容を示しています。この一時ファイルのあるシステムでは、ファイルシステムのルートディレクトリに quotas ファイルが含まれているマウント済みファイルシステムは /files だけです。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 0) inodes (soft = 0, hard = 0) |
次の例は、上と同じ一時ファイルの、割り当て制限変更後の内容を示しています。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 500) inodes (soft = 0, hard = 100) |
次の例は、ユーザー smith の強い制限値の変更結果を確認する方法と、1K バイトブロック数と i ノード数の強い制限値がそれぞれ 500 と 100 に変更されていることを示しています。
# quota -v smith Disk quotas for smith (uid 12): Filesystem usage quota limit timeleft files quota limit timeleft /files 1 0 500 1 0 100 |
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように割り当て制限エディタを使用して、quotas ファイルがその最上位ディレクトリにある各マウント済みファイルシステムに対して 1 行の割り当て制限情報を含む一時ファイルを作成します。
# edquota username |
username は、割り当て制限を無効にしたいユーザー名を指定します。
edquota コマンドの引数として複数のユーザーを指定できます。ただし、表示される情報がどのユーザーに属するかは示されません。混乱を避けるため、ユーザー名は 1 つだけ指定してください。
1K バイトディスクブロック数の弱い制限値と強い制限値の両方を 0 に変更します。
i ノード数の弱い制限値と強い制限値の両方を 0 に変更します。
必ずこれらの値を 0 (ゼロ) に変更してください。テキストファイルから行を削除してはいけません。
ユーザーの UFS 割り当て制限を無効にしたことを確認します。
# quota -v username |
ディスク割り当て制限が有効にされている、すべてのマウント済みのファイルシステムについて、ユーザーの UFS ディスク割り当て制限情報を表示します。
UFS 割り当て制限を確認したいユーザー名 (UID) を指定します。
次の例は、edquota コマンドで開いた一時ファイルの内容を示しています。このシステムでは、ファイルシステムのルートディレクトリに quotas ファイルが含まれているマウント済みファイルシステムは、/files だけです。
fs /files blocks (soft = 50, hard = 60) inodes (soft = 90, hard = 100) |
次の例は、UFS 割り当て制限を無効にしたあとの、上記と同じ一時ファイルの内容を示しています。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 0) inodes (soft = 0, hard = 0) |
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
ファイルシステムの割り当て制限を無効にします。
# quotaoff [-v] -a filesystem ... |
UFS 割り当て制限が無効にされた場合、各ファイルシステムからメッセージを表示します。
全ファイルシステムの UFS 割り当て制限を無効にします。
指定する 1 つ以上のファイルシステムの UFS 割り当て制限を無効にします。複数のファイルシステムを指定する場合は、スペースでファイルシステム名を区切ります。
次の例は、 /export/home ファイルシステムの割り当て制限を無効にする方法を示しています。
# quotaoff -v /export/home /export/home: quotas turned off |