Solaris のシステム管理 (IP サービス)

6to4 派生のアドレス指定

ルーターまたはホストエンドポイントから 6to4 トンネルを設定する計画がある場合は、エンドポイントシステム上の /etc/inet/ndpd.conf ファイルにある 6to4 サイト接頭辞を通知する必要があります。6to4 トンネルの設定に関する概要と作業については、「6to4 トンネルを設定する方法」を参照してください。

次の図に、6to4 サイト接頭辞の構成を示します。

図 11–1 6to4 サイト接頭辞の構成

この図は、6to4 サイト接頭辞の書式を示し、サイト接頭辞の例を示します。この引用付き表は、図中の情報を説明します。

次の図は、ndpd.conf ファイルに指定する 6to4 サイトのサブネット接頭辞の構成を示しています。

図 11–2 6to4 サブネット接頭辞の構成

この図は、6to4 接頭辞の書式を示し、接頭辞の例を示します。次の内容は、図中の情報を説明します。

この表では、6to4 サブネット接頭辞を構成する要素と、各要素の長さおよび定義について説明しています。

構成要素 

長さ 

定義 

接頭辞 

16 ビット 

6to4 接頭辞ラベル 2002 (0x2002)。 

IPv4 アドレス 

32 ビット 

6to4 インタフェースですでに設定されている一意の IPv4 アドレス。通知のために、ドット付きの 10 進表記ではなく 16 進表記の IPv4 アドレスを指定します。 

サブネット ID 

16 ビット 

サブネット ID。これは、6to4 サイトにおけるリンクで一意となる値でなければなりません。 

ホストにおける 6to4 派生のアドレス指定

ルーター広告によって 6to4 派生の接頭辞を受信する際、IPv6 ホストはインタフェース上の 6to4 派生アドレスを自動的に設定し直します。アドレスの書式は次のとおりです。


prefix:IPv4-address:subnet-ID:interface-ID/64

6to4 インタフェースを持つホスト上で ifconfig -a コマンドを実行すると、次のような出力が返されます。


qfe1:3: flags=2180841<UP,RUNNING,MULTICAST,ADDRCONF,ROUTER,IPv6>
 mtu 1500 index 7
        inet6 2002:8192:56bb:9258:a00:20ff:fea9:4521/64 

この出力では、inet6 に続く文字列が 6to4 派生アドレスです。

この表では、6to4 派生アドレスの構成要素、各要素の長さ、および各要素が提供する情報について説明しています。

アドレスの構成要素 

長さ 

定義 

prefix

16 ビット 

2002。これは 6to4 接頭辞です。

IPv4-address

32 ビット 

8192:56bb。これは、6to4 ルーターで設定されている 6to4 擬似インタフェースに対する 16 進表記による IPv4 アドレスです。

subnet-ID

16 ビット 

9258。これは、このホストの所属先であるサブネットのアドレスです。

interface-ID

64 ビット 

a00:20ff:fea9:4521。これは、6to4 に設定されているホストインタフェースのインタフェース ID です。