DHCP データは、テキストファイル、バイナリファイル、または NIS+ ディレクトリサービスに保存できます。次の表に、各データストアの特長と、各データストアを使用すべき環境を示します。
表 13–3 DHCP データストアの比較
データストア |
パフォーマンス |
保守 |
共有 |
環境 |
---|---|---|---|---|
バイナリファイル |
高性能、大容量 |
少ない保守で、データベースサーバーが不要です。内容は、DHCP マネージャ、dhtadm 、 pntadm で表示する必要があります。ファイルの定期的なバックアップが必要です。 |
データストアを DHCP サーバーの間で共有することはできません。 |
多数のネットワークからなり、ネットワークごとに数千のクライアントがいる中規模から大規模の環境。小規模から中規模の ISP に適しています。 |
NIS+ |
中程度の性能と容量。NIS+ サービスの性能と容量に依存する |
DHCP サーバーシステムが NIS+ クライアントとして構成されていなければなりません。NIS+ サービスの保守が必要です。内容は、DHCP マネージャ、dhtadm 、 pntadm で表示する必要があります。nisbackup による定期的なバックアップが必要です。 |
DHCP データは NIS+ に分散されます。複数のサーバーから同じコンテナにアクセスできます。 |
ネットワーク当たり 5000 クライアントまでの小規模から中規模の環境。 |
テキストファイル |
中程度の性能、少ない容量 |
少ない保守で、データベースサーバーが不要です。ASCII ファイルであるため、DHCP マネージャ、dhtadm または pntadm を使用しなくても見ることができます。ファイルの定期的なバックアップが必要です。 |
データストアを DHCP サーバーの間で共有できます。ただし、DHCP データが、NFS マウントポイントを通してエクスポートされる 1 つのファイルシステムに格納されていなければなりません。 |
ネットワーク当たり数百から 1,000 クライアントで、合計が 10,000 クライアント未満の小規模な環境。 |
従来の NIS はデータストアオプションとしては推奨されません。NIS が高速な増分更新をサポートしていないためです。ネットワークで NIS が使用されている場合は、データストアとしてテキストファイルまたはバイナリファイルを使用することをお勧めします。