IP ネットワーク環境によっては、いくつかのローカルエリアネットワーク (LAN) が同じネットワークハードウェアメディアを共有していることがあります。このようなネットワークでは、複数のネットワークハードウェアインタフェースが使用されていたり、複数の論理インタフェースが使用されていたりします。このような共有メディアネットワークでは、DHCP はうまく動作しません。同じ物理ネットワークで複数の LAN が動作していると、DHCP クライアントの要求はすべてのネットワークハードウェアインタフェースに送信されます。そのため、クライアントは、すべての IP ネットワークに同時に接続されているものとみなされます。
DHCP は、適切な IP アドレスをクライアントに割り当てられるように、クライアントのネットワークアドレスを特定できる必要があります。同じハードウェアメディアに複数のネットワークが存在していると、サーバーは、クライアントのネットワークを特定できないため、IP アドレスを割り当てることができません。
DHCP は、複数のネットワークの 1 つでしか実行できません。1 つのネットワークがユーザーの DHCP ニーズと合わない場合は、すべてのネットワークを再構成する必要があります。次のヒントを参考にしてください。
サブネットに対して可変長サブネットマスク (VLSM) を使用して、現在の IP アドレス空間をより有効に活用します。これにより、同じ物理ネットワーク上で複数のネットワークを使用する必要がなくなるかもしれません。可変長サブネットの実装については、netmasks(4) のマニュアルページを参照してください。Classless Inter-Domain Routing (CIDR) と VLSM の詳細は、http://www.ietf.org/rfc/rfc1519.txt を参照してください。
スイッチ上のポートを構成し、デバイスを別の物理 LAN に割り当てます。これにより、Oracle Solaris DHCP の要件である、1 つの LAN から 1 つの IP ネットワークへのマッピングが維持されます。ポートの構成については、スイッチに関する技術資料を参照してください。