Solaris のシステム管理 (IP サービス)

dhcptab テーブル

dhcptab テーブルには、クライアントが DHCP サーバーから取得できるすべてのデータが含まれています。DHCP サーバーは、起動されるたびに dhcptab テーブルをスキャンします。dhcptab テーブルのファイル名は、使用されるデータストアによって異なります。たとえば、NIS+ データストア SUNWnisplus によって作成された dhcptab テーブルは SUNWnisplus1_dhcptab になります。

DHCP プロトコルは、クライアントに渡すことができる情報の標準的な項目を多数定義しています。これらの項目は、パラメータ、シンボル、またはオプションと呼ばれます。DHCP プロトコルでは、オプションは数値コードとテキストラベルで定義されており、値は与えられていません。例として、一般的に使用される標準オプションの一部を示します。

表 12–1 DHCP 標準オプションの例

コード 

ラベル 

説明 

Subnet

サブネットマスク IP アドレス 

Router

ルーターの IP アドレス 

DNSserv

DNS サーバーの IP アドレス 

12 

Hostname

クライアントホスト名を表すテキスト文字列 

15 

DNSdmain

DNS ドメイン名 

オプションの中には、サーバーの構成中に情報が提供されると、自動的に値が割り当てられるものがあります。また、あとで、ほかのオプションに値を明示的に割り当てることもできます。オプションとその値はクライアントに渡され、構成情報を形成します。たとえば、オプションと値のペアである DNSdmain=Georgia.Peach.COM は、クライアントの DNS ドメイン名を Georgia.Peach.COM に設定します。

オプションは、「マクロ」として知られているコンテナ内でほかのオプションと共にグループ化することができ、これによりクライアントへ容易に情報を渡すことができます。マクロの中には、サーバー構成時に自動的に作成され、構成時に値が割り当てられるオプションを含むものがあります。また、マクロにはほかのマクロを含めることもできます。

dhcptab テーブルのフォーマットについては、dhcptab(4) のマニュアルページを参照してください。DHCP マネージャでは、「オプション (Options)」タブや「マクロ (Macros)」タブに示されるすべての情報は dhcptab ファイルから得られます。オプションについては、「DHCP オプションについて」を参照してください。マクロについては、「DHCP マクロについて」を参照してください。

dhcptab テーブルをテキストエディタで編集しないでください。オプションやマクロの作成、削除、変更には、dhtadm コマンドまたは DHCP マネージャを使用する必要があります。