この節では、ifconfig(1m) のマニュアルページに記載されているコマンドオプションについてまとめます。これらのコマンドの DHCPv4 バージョンと DHCPv6 バージョンでは、「inet6」キーワードだけが異なります。DHCPv6 の場合は「inet6」キーワードを使用し、DHCPv4 の場合は省略してください。
DHCP クライアントの起動 – ifconfig interface [inet6] dhcp start コマンドは、dhcpagent と DHCP サーバー間の対話を開始して、IP アドレスと新しい構成オプション群を取得します。このコマンドは、IP アドレスを追加したり、サブネットマスクを変更する場合など、情報を変更してそれをクライアントですぐに使用したいときに便利です。
ネットワーク構成情報だけの要求 – ifconfig interface [inet6] dhcp inform コマンドを実行すると、dhcpagent は、IP アドレス以外のネットワーク構成パラメータを求める要求を発行します。このコマンドは、ネットワークインタフェースが静的 IP アドレスを持っているが、クライアントシステムが更新されたネットワークオプションを必要としているような場合に便利です。たとえば、DHCP を IP アドレスの管理には使用しないが、ネットワーク上のホストの構成には使用したいような場合です。
リースの延長の要求 – ifconfig interface [inet6] dhcp extend コマンドを実行すると、dhcpagent は、リースを延長する要求を発行します。クライアントは、リースの延長を自動的に要求します。ただし、リース期間を変更し、次のリース更新を待たずにクライアントで新しいリース期間をただちに使用したい場合は、このコマンドを使用できます。
IP アドレスの解放 – ifconfig interface [inet6] dhcp release コマンドを実行すると、dhcpagent は、ネットワークインタフェースで使用されている IP アドレスを解放します。IP アドレスの解放は、リースの期限が切れると自動的に行われます。たとえば、ラップトップをネットワークから切り離し、別のネットワーク上で起動する予定の場合に、このコマンドを実行することをお勧めします。/etc/default/dhcpagent 構成ファイルの RELEASE_ON_SIGTERM プロパティーも参照してください。
IP アドレスの中断 – ifconfig interface [inet6] dhcp drop コマンドを実行すると、dhcpagent は、DHCPサーバーに通知せずに、ネットワークインタフェースを停止し、リースをファイルシステムにキャッシュします。この処理により、クライアントは次回リブート時に同じ IP アドレスを使用できます。
ネットワークインタフェースへの ping – ifconfig interface [inet6] dhcp ping は、インタフェースが DHCP の制御下にあるかどうかを示します。
ネットワークインタフェースの DHCP 構成状態の表示 – ifconfig interface [inet6] dhcp status コマンドは、DHCP クライアントの現在の状態を表示します。この表示には、次の情報が含まれています。
クライアントに IP アドレスがバインドされているかどうか
送信、受信、および拒否された要求の数
このインタフェースが一時インタフェースかどうか
リースが取得された時刻、リースが期限切れになった時刻、リース更新の開始が予定されている時刻
次に例を示します。
# ifconfig hme0 dhcp status Interface State Sent Recv Declined Flags hme0 BOUND 1 1 0 [PRIMARY] (Began,Expires,Renew)=(08/16/2005 15:27, 08/18/2005 13:31, 08/17/2005 15:24) |
# ifconfig hme0 inet6 dhcp status Interface State Sent Recv Declined Flags hme0 BOUND 1 0 0 [PRIMARY] (Began,Expires,Renew)=(11/22/2006 20:39, 11/22/2006 20:41, 11/22/2006 20:40) |