クライアントが IP アドレスを取得または検証しようとすると、問題が syslog に記録されたり、サーバーデバッグモード出力に書き込まれることがあります。よく見られる次の各エラーメッセージが、考えられる原因と解決策を示しています。
There is no n.n.n.n dhcp-network table for DHCP client's network
原因:クライアントが、特定の IP アドレスを要求しているか、現在の IP アドレスのリースを延長しようとしています。DHCP サーバーは、DHCP ネットワークテーブルでそのアドレスを発見できません。
対処方法:DHCP ネットワークテーブルが誤って削除されている場合があります。DHCP マネージャか dhcpconfig コマンドを使ってネットワークを再び追加し、ネットワークテーブルを作り直すことができます。
ICMP ECHO reply to OFFER candidate: n.n.n.n, disabling
原因:DHCP クライアントに提供されようとしている IP アドレスがすでに使用されています。このアドレスを複数の DHCP サーバーで所有していると、この問題が起こることがあります。さらに、アドレスが DHCP 以外のネットワーククライアント用に手動で構成されている場合にも、この問題が起こることがあります。
対処方法:アドレスの正しい所有者を判別します。DHCP サーバーデータベースか、ホストのネットワーク構成を修正します。
ICMP ECHO reply to OFFER candidate: n.n.n.n. No corresponding dhcp network record.
原因:DHCP クライアントに提供されようとしている IP アドレスのレコードがネットワークテーブルにありません。このエラーは、IP アドレスが、選択されたあとに DHCP ネットワークテーブルレコードから削除されたことを示します。このエラーが起こるのは (もし起こるのなら)、アドレスの重複チェックが終了するまでの短い時間においてだけです。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、DHCP ネットワークテーブルを表示します。その IP アドレスが存在しない場合は、DHCP マネージャの「アドレス (Address)」タブから「編集 (Edit)」メニュの「作成 (Create)」を選択してアドレスを作成します。さらに、pntadm 使ってこの IP アドレスを作成することもできます。
DHCP network record for n.n.n.nis unavailable, ignoring request.
原因:要求された IP アドレスのレコードは DHCP ネットワークテーブルに存在しないので、サーバーが要求をドロップします。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、DHCP ネットワークテーブルを表示します。その IP アドレスが存在しない場合は、DHCP マネージャの「アドレス (Address)」タブから「編集 (Edit)」メニュの「作成 (Create)」を選択してアドレスを作成します。さらに、pntadm 使ってこのアドレスを作成することもできます。
n.n.n.n currently marked as unusable.
原因:ネットワークテーブルで使用不可に指定されているため、要求された IP アドレスを提供できません。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、アドレスを使用可能にします。
n.n.n.n was manually allocated. No dynamic address will be allocated.
原因:クライアントの ID は、手動で割り当てられたアドレスに割り当てられています。そのアドレスは使用不可に指定されています。そのため、サーバーがこのクライアントに別のアドレスを割り当てることができません。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、そのアドレスを使用できるようにするか、そのクライアントに別のアドレスを手動で割り当てます。
Manual allocation (n.n.n.n, client ID) has n other records. Should have 0.
原因:指定されたクライアント ID を持つクライアントに、複数の IP アドレスが手動で割り当てられています。クライアントには、1 つのアドレスだけが割り当てられているべきです。サーバーは、ネットワークテーブルにある、最後に手動で割り当てられたアドレスを選択します。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、IP アドレスを修正し、余分な手動割り当てを取り除きます。
No more IP addresses on n.n.n.nnetwork.
原因:指定されたネットワーク上で DHCP が現在管理しているすべての IP アドレスは、すでに割り当てられています。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、このネットワーク用に新しい IP アドレスを作成します。
Client: clientid lease on n.n.n.n expired.
原因:リースがネゴシエーション可能ではなく、有効期限が切れています。
対処方法:クライアントは、プロトコルを自動的に再起動して新しいリースを取得すべきです。
Offer expired for client: n.n.n.n
原因:サーバーがクライアントに IP アドレスを提供したが、クライアントの応答に時間がかかり過ぎ、このオファーは期限切れとなっています。
対処方法:クライアントは、新たな検索メッセージを自動的に発行すべきです。このメッセージも期限切れとなった場合は、DHCP サーバーのキャッシュオファータイムアウトを増加させます。DHCP マネージャでは、「サービス (Service)」メニューから「変更 (Modify)」を選択する
Client: clientid REQUEST is missing requested IP option.
原因:クライアントの要求が、提供された IP アドレスを指定しなかったため、DHCP サーバーはこの要求を無視しました。更新された DHCP プロトコル (RFC 2131) に準拠していない、Sun 以外の DHCP クライアントを使用すると、この問題が起こることがあります。
対処方法:クライアントのソフトウェアを更新してください。
Client: clientid is trying to renew n.n.n.n, an IP address it has not leased.
原因:DHCP ネットワークテーブルにあるこのクライアント用の IP アドレスが、クライアントが更新要求で指定した IP アドレスと一致しません。DHCP サーバーはこのリースを更新しません。この問題は、クライアントがまだ IP アドレスを使用しているのに、クライアントのレコードを削除した場合に発生することがあります。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、ネットワークテーブルを調べて、必要であれば、クライアントのレコードを修正します。クライアント ID は、指定された IP アドレスと結合されていなければなりません。結合されていない場合は、アドレスプロパティーを編集してこのクライアント ID を追加します。
Client: clientid is trying to verify unrecorded address: n.n.n.n, ignored.
原因:指定されたクライアントは、このアドレスに対して DHCP ネットワークテーブルに登録されていません。そのため、要求は DHCP サーバーに無視されます。
このネットワークの別の DHCP サーバーで、このクライアントにアドレスを割り当てられます。ただし、クライアントがこの IP アドレスをまだ使用しているのにそのクライアントのレコードが削除されていることが原因の場合もあります。
対処方法:DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使って、このサーバーとネットワーク上のほかの DHCP サーバーで、ネットワークテーブルを調べます。必要なら修正します。
さらに、何もせずにリースを期限切れにすることもできます。クライアントは自動的に新しいリースを要求します。
クライアントに新しいリースをすぐに取得させたい場合は、次のコマンドを使って、このクライアント上で DHCP プロトコルを再起動する
ifconfig interface dhcp release ifconfig interface dhcp start |