「ネットワークインタフェース」は、システムとネットワークの間の通信を提供します。Oracle Solaris ベースのシステムには、物理インタフェースと論理インタフェースという 2 つのタイプのインタフェースがあります。「物理インタフェース」はソフトウェアドライバとコネクタから成り、コネクタには、Ethernet ケーブルなどのネットワークメディアを接続します。物理インタフェースは、管理効率と可用性を高めるためにグループ化できます。「論理インタフェース」は、既存の物理インタフェースの上に論理的に構成され、通常、物理インタフェース上のアドレスの追加やトンネルの終端の作成に使用されます。
論理ネットワークインタフェースについては、論理ネットワークインタフェースを使用する作業で説明します。 たとえば、IPv6、IPMP、DHCP などに関する作業に含まれています。
ほとんどのコンピュータシステムでは、製造元によってメインシステムボードに少なくとも 1 つの物理インタフェースが組み込まれています。複数のインタフェースが組み込まれたシステムもあります。
システムには、組み込みインタフェースのほかに別個に購入したインタフェースを追加できます。別個に購入したインタフェースは、「ネットワークインタフェースカード」(NIC) と呼ばれます。NIC は製造元の指示に従って物理的に取り付けてください。
NIC は「ネットワークアダプタ」とも呼ばれます。
システムのインストール中に、Oracle Solaris インストールプログラムは、物理的に取り付けられたすべてのインタフェースを検出し、各インタフェースの名前を表示します。インタフェースのリストから少なくとも 1 つのインタフェースを構成する必要があります。インストール中に最初に構成されるインタフェースが、「一次ネットワークインタフェース」になります。一次ネットワークインタフェースの IP アドレスは、/etc/nodename ファイルに保存されているシステムの構成済みのホスト名に関連付けられます。ただし、インストール中またはインストール後に、追加のインタフェースを構成できます。
各物理インタフェースは、一意のデバイス名によって識別されます。デバイス名の構文は、次のとおりです。
<driver-name><instance-number> |
Oracle Solaris システム上のドライバ名には、ce、 hme、bge、 e1000g などの数多くのドライバ名があります。instance-number 変数には、システムにインストールされているドライバタイプのインタフェースの数に応じて、0 から n までの値を指定できます。
たとえば、ホストシステムとサーバーシステムの両方で一次ネットワークインタフェースとして使用されることが多い 100BASE-TX Fast Ethernet インタフェースについて考えてみます。このインタフェースの一般的なドライバ名として、eri、 qfe、hme などがあります。Fast Ethernet インタフェースを一次ネットワークインタフェースとして使用する場合、eri0 や qfe0 などのデバイス名が使用されます。
eri や hme などの NIC にはインタフェースが 1 つしかありません。ただし、多くの種類の NIC には複数のインタフェースがあります。たとえば、Quad Fast Ethernet (qfe) カードには qfe0 から qfe3 まで 4 つのインタフェースがあります。
インタフェースがシステムとネットワーク間のトラフィックを受け渡しできるようにするには、その前にインタフェースを「plumb する」必要があります。plumb するときには、インタフェースにデバイス名を関連付けます。次に、IP プロトコルでインタフェースを使用できるようにストリームをセットアップします。物理インタフェースと論理インタフェースの両方を plumb する必要があります。インタフェースは、起動手順の一部として plumb されるか、ifconfig コマンドの適切な構文を使用して明示的に plumb されます。
インストール中にインタフェースを構成する場合、インタフェースは自動的に plumb されます。インストール中にシステムで追加のインタフェースを構成しない場合、それらのインタフェースは plumb されません。
Solaris 10 1/06 リリース以降、Oracle Solaris では次の 2 つのタイプのインタフェースがサポートされています。
旧式インタフェース – これらのインタフェースは、DLPI インタフェースと GLDv2 インタフェースです。旧式インタフェースのタイプには、eri、qfe、ce などがあります。dladm show-link コマンドを使用してインタフェースの状態を確認すると、これらのインタフェースは、「legacy」(旧式) として報告されます。
非 VLAN インタフェース – これらのインタフェースは GLDv3 インタフェースです。
現在、GLDv3 は、次のインタフェースタイプでサポートされています。 bge、xge、および e1000g です。