Solaris のシステム管理 (IP サービス)

Procedure経路制御テーブルに静的ルートを追加する方法

  1. 経路制御テーブルの現在の状態を表示します。

    通常のユーザーアカウントを使用して、次の形式の netstat コマンドを実行します。


    % netstat -rn
    

    次のような出力が表示されます。


    Routing Table: IPv4
      Destination           Gateway           Flags  Ref   Use   Interface
    -------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
    192.168.5.125        192.168.5.10          U      1   5879   ipge0
    224.0.0.0            198.168.5.10          U      1  0       ipge0
    default              192.168.5.10          UG     1  91908
    127.0.0.1            127.0.0.1             UH     1  811302   lo0
  2. Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  3. (省略可能) 経路制御テーブル内の既存のエントリを消去します。


    # route flush
    
  4. リブート後も保持されるルートを追加します。


    # route -p add -net network-address -gateway gateway-address
    
    -p

    リブート後も保持される必要のあるルートを作成します。現在のセッションだけに有効なルートを作成する場合は、-p オプションを使用しないでください。

    add

    そのあとに指定されているルートを追加することを示します。

    -net network-address

    network-address で指定されたアドレスを持つネットワークへのルートであることを示します。

    -gateway gateway-address

    指定されたルートのゲートウェイシステムの IP アドレスが gateway-address であることを示します。


例 5–5 経路制御テーブルに静的ルートを追加する

次の例は、システムに静的ルートを追加する方法を示しています。このシステムは、図 5–3 で示されている、172.20.1.0 ネットワークのデフォルトルーターであるルーター 2 です。例 5–4 では、ルーター 2 は動的経路制御用に構成されています。ネットワーク 172.20.1.0 上のホストのデフォルトルーターとしてルーター 2 の機能を向上させるには、AS のボーダールーター 10.0.5.150 への静的ルートを追加する必要があります。

ルーター 2 の経路制御テーブルを表示するために、次の手順を実行します。


# netstat -rn
Routing Table: IPv4
  Destination           Gateway           Flags  Ref   Use   Interface
-------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
default              172.20.1.10          UG        1    249 ce0
224.0.0.0            172.20.1.10          U         1      0 ce0
10.0.5.0             10.0.5.20            U         1     78 bge0
127.0.0.1            127.0.0.1            UH        1     57 lo0

この経路制御テーブルは、ルーター 2 に既知のルートが 2 つあることを示しています。デフォルトのルートは、ルーター 2 の 172.20.1.10 インタフェースをゲートウェイとして使用します。2 番目のルート 10.0.5.0 は、ルーター 2 で実行中の in.routed デーモンによって検出されました。このルートのゲートウェイはルーター 1 で、その IP アドレスは 10.0.5.20 です。

ネットワーク 10.0.5.0 にはボーダールーターとして機能するゲートウェイがあります。このネットワークへのルートをもう 1 つ追加するには、次の手順を実行します。


# route -p add -net 10.0.5.0/24 -gateway 10.0.5.150/24
add net 10.0.5.0: gateway 10.0.5.150

これで、IP アドレス 10.0.5.150/24 を持つボーダールーターへのルートが、経路制御テーブルに追加されました。


# netstat -rn
Routing Table: IPv4
  Destination           Gateway           Flags  Ref   Use   Interface
-------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
default              172.20.1.10          UG        1    249 ce0
224.0.0.0            172.20.1.10          U         1      0 ce0
10.0.5.0             10.0.5.20            U         1     78 bge0
10.0.5.0             10.0.5.150           U         1    375 bge0
127.0.0.1            127.0.0.1            UH        1     57 lo0