Solaris のシステム管理 (IP サービス)

受信側ホストでのパケットの取り扱い

受信側ホストに到着したパケットは、送信されたときとは逆の順番で、TCP/IP プロトコルスタックを通り抜けます。このパスを図 1–1 に示します。受信側ホストの各プロトコルは、送信側ホストの対等プロトコルがパケットに付加したヘッダー情報を取り除きます。この処理の順序を次に示します。

  1. 物理ネットワーク層は、フレーム形式のパケットを受信します。パケットの CRC を計算し、データリンク層にフレームを送信します。

  2. データリンク層は、フレームの CRC が正しいことを確認すると、フレームのヘッダーとその CRC を取り除きます。最後に、データリンクプロトコルは、インターネット層にフレームを送ります。

  3. インターネット層は、ヘッダーにある情報を読み取って、転送を識別します。そして、パケットがフラグメントであるかどうかを判別します。その転送がフラグメントである場合は、IP は、フラグメントを組み立て直して、オリジナルのデータグラムに戻します。そして、IP ヘッダーを取り除いてから、データグラムをトランスポート層プロトコルに渡します。

  4. トランスポート層 (TCP、SCTP および UDP) は、ヘッダーを読み取って、どのアプリケーション層プロトコルでデータを受信する必要があるかを決定します。次に、TCP、SCTP または UDP は、自分に関連するヘッダーを取り除き、メッセージまたはストリームを受信アプリケーションに送信します。

  5. アプリケーション層はメッセージを受信して、送信側ホストから要求された操作を実行します。