サービス品質を実現するには、ネットワークトラフィックを分析して、トラフィックを分類する大まかなグループ分けを決定します。次に、それぞれ特徴と優先順位を持つサービスクラスに各グループ分けを整理します。これらのクラスが基本的なカテゴリとなり、それに基づいて組織の QoS ポリシーを作成します。サービスクラスは、管理の対象となるトラフィックグループを代表します。
たとえば、プロバイダがプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの各レベルのサービスをそれぞれ異なる利用料金で提供するとします。プラチナレベルの SLA では、プロバイダが顧客用に運営している Web サイト宛ての着信トラフィックに対して、もっとも高い優先順位を保証します。このように、ある顧客の Web サイト宛ての着信トラフィックを 1 つのトラフィッククラスとしてまとめることができます。
企業向けには、部門の要求に基づくサービスクラスを作成できます。また、ネットワークトラフィック内の特定のアプリケーションの優位性に基づくクラスを作成することもできます。次に、企業向けのトラフィッククラスの例をいくつか示します。
特定のサーバー宛ての電子メールや発信 FTP などの、よく使われるアプリケーション。アプリケーションごとに 1 つのクラスを構成できる。これらのアプリケーションは従業員によって絶えず使用されるため、QoS ポリシーで、電子メールと発信 FTP には少量の帯域幅と低い優先順位を割り当てる
一日 24 時間実行の必要がある注文入力データベース。企業にとってのデータベースアプリケーションの重要度に応じて、大量の帯域幅と高い優先順位を割り当てる
人事部門などの、極めて重要な業務または機密業務を行う部署。組織にとっての部署の重要度に応じて、割り当てる優先順位と帯域幅の大きさを決める