Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPQoS セレクタ

ipgpc クラシファイアは、IPQoS 構成ファイルの filter 句で使用可能なさまざまなセレクタをサポートします。フィルタを定義するときには、特定クラスのトラフィック取得に必要な最小限のセレクタを使用してください。定義するフィルタの数が、IPQoS のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

次の表に、 ipgpc で使用できるセレクタを示します。

表 37–1 IPQoS クラシファイアで利用可能なフィルタセレクタ

セレクタ 

引数 

選択される情報 

saddr

IP アドレス番号 

発信元アドレス 

daddr

IP アドレス番号 

着信先アドレス 

sport

ポート番号またはサービス名。/etc/services の定義に従う

トラフィッククラスの発信元ポート 

dport

ポート番号またはサービス名。/etc/services の定義に従う

トラフィッククラスの着信先ポート 

プロトコル

プロトコル番号またはプロトコル名。/etc/protocols の定義に従う

このトラフィッククラスが使用するプロトコル 

dsfield

0 - 63 の値を持つ DS コードポイント (DSCP) 

DSCP。パケットに適用される転送動作を定義する。このパラメータを指定した場合は、dsfield_mask パラメータも指定すること

dsfield_mask

0 - 255 の値を持つビットマスク 

dsfield セレクタと組み合わせて使用。dsfield_mask は、dsfield セレクタに適用して、ビットのどれが一致するかを決定する

if_name

インタフェース名 

特定クラスの着信トラフィックまたは発信トラフィックで使用されるインタフェース 

user

選択する UNIX ユーザー ID の番号またはユーザー名。パケットにユーザー ID またはユーザー名が存在しない場合、デフォルトの –1 が使用される 

アプリケーションに指定されるユーザー ID 

projid

選択するプロジェクト ID の番号 

アプリケーションに付加されるプロジェクト ID 

priority

優先順位の番号。もっとも低い優先順位は 0 

このクラスのパケットに与えられる優先順位。優先順位は、同じクラスに複数存在するフィルタの重要度の順位付けに使用される 

direction

次の引数のいずれかを指定できる。 

IPQoS マシン上のパケットフローの方向  

 

LOCAL_IN

ローカルシステムから IPQoS システムへの入力トラフィック 

 

LOCAL_OUT

ローカルシステムから IPQoS システムへの出力トラフィック 

 

FWD_IN

転送される入力トラフィック 

 

FWD_OUT

転送される出力トラフィック 

precedence

優先度の値。もっとも高い優先度は 0 

優先度は、同一優先順位のフィルタの順序付けに使用される 

ip_version

V4 または V6

パケットにより使用されるアドレス指定スキーマ (IPv4 または IPv6)