この節では、Oracle Solaris 10 でサポートされている 2 つの経路制御プロトコルについて説明します。それは、経路制御情報プロトコル (RIP) および ICMP ルーター発見 (RDISC) です。RIP と RDISC は、どちらも標準 TCP/IP プロトコルです。Oracle Solaris 10 で使用できる経路制御プロトコルの一覧については、表 5–1 および表 5–2 を参照してください。
RIP は、システムのブート時に自動的に起動する経路制御デーモンである in.routed によって実行されます。s オプションを指定した in.routed をルーターで実行すると、in.routed は、到達可能なすべてのネットワークへのルートをカーネルルーティングテーブルに組み入れ、すべてのネットワークインタフェースを経由する「到達可能性」を通知します。
ホストで q オプションを指定して実行すると、in.routed は経路制御情報を引き出しますが、到達可能性の通知は行いません。ホストでは、経路制御情報は次の 2 つの方法で抽出できます。
S フラグ (大文字の「S」、「省スペースモード」の意) を指定しない。 in.routed は、ルーターで実行するときとまったく同じようにフル経路制御テーブルを作成します。
S フラグを指定する。 in.routed は、使用可能なルーターについてデフォルトのルートを 1 つずつ含む最小カーネルテーブルを作成します。
ホストは、ルーターから経路制御情報を取得するときに、RDISC を使用します。したがって、ホストが RDISC を実行しているとき、各ルーターは、経路制御情報の交換のために、RIP などのような別のプロトコルも実行している必要があります。
RDISC は、ルーターとホストの両方で実行される in.routed によって実装されます。ホストでは、in.routed は RDISC を使用して、RDISC によってホストに通知を行うルーターからデフォルトのルートを検出します。in.routed は、ルーターで RDISC を使用して、直接接続されているネットワーク上のホストにデフォルトのルートを通知します。in.routed(1M) のマニュアルページと gateways(4) のマニュアルページを参照してください。