Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPsec の認証アルゴリズムと暗号化アルゴリズム

IPsec セキュリティープロトコルは、認証と暗号化という 2 種類のアルゴリズムを提供しています。AH モジュールは、認証アルゴリズムを使用します。ESP モジュールは、暗号化アルゴリズムと認証アルゴリズムを使用します。ipsecalgs コマンドを使用すると、システムのアルゴリズムとプロパティーの一覧を取得できます。詳細は、ipsecalgs(1M) のマニュアルページを参照してください。getipsecalgbyname(3NSL) のマニュアルページで説明されている機能を使用して、アルゴリズムのプロパティーを検索することもできます。

Solaris システムの IPsec は、Solaris 暗号フレームワークを使用して、アルゴリズムにアクセスします。このフレームワークは、その他のサービスに加えて、アルゴリズムの中央リポジトリを提供します。このフレームワークによって、IPsec は、高性能な暗号ハードウェアアクセラレータを利用できます。このフレームワークは、リソース制御機能も提供しています。たとえば、このフレームワークを使用すると、カーネルでの暗号処理に費やされる CPU 時間を制限できます。

詳細については、次を参照してください。

IPsec での認証アルゴリズム

認証アルゴリズムは、データとキーを基に整合性チェックサムの値、つまり、「ダイジェスト」を生成します。AH モジュールは、認証アルゴリズムを使用します。ESP モジュールも、認証アルゴリズムを使用します。

IPsec での暗号化アルゴリズム

暗号化アルゴリズムは、キーでデータを暗号化します。 IPsec の ESP モジュールは、暗号化アルゴリズムを使用します。暗号化アルゴリズムでは、「ブロックサイズ」ごとにデータを処理します。

デフォルトで使用される暗号化アルゴリズムは、Solaris 10 OS のリリースによって異なります。


注意 – 注意 –

Solaris 10 7/07 リリース以降では、システムに Solaris Encryption Kit を追加しないでください。このキットはシステムにおける暗号化のパッチレベルを低下させます。このキットはシステム上の暗号化と互換性がありません。