Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPsec キー生成ユーティリティー

IKE プロトコルは、IPv4 アドレスおよび IPv6 アドレスのキーを自動的に管理します。IKEを設定する方法については、第 23 章IKE の設定 (手順)を参照してください。手動キーユーティリティーは ipseckey コマンドです (ipseckey(1M) のマニュアルページを参照)。

セキュリティーアソシエーションデータベース (SADB) を手動で生成するには、ipseckey コマンドを使用します。通常、手動での SA 生成は、何らかの理由で IKE を使用できない場合に使用します。ただし、SPI の値が一意であれば、手動での SA 生成と IKE を同時に使用することができます。

ipseckey コマンドを使用すると、システムで認識されているすべての SA を表示できます。このような SA には、手動または IKE によって鍵が追加されています。Solaris 10 4/09 リリース以降では、-c オプションを指定して ipseckey コマンドを実行すると、引数として指定した鍵ファイルの構文がチェックされます。

ipseckey コマンドで追加された IPsec SA には持続性がなく、システムのリブート時に失われます。現在のリリースでは、手動で追加した SA をシステムの起動時に有効にするには、/etc/inet/secret/ipseckeys ファイルにエントリを追加してから、svc:/network/ipsec/manual-key:default サービスを有効にします。手順については、「IPsec セキュリティーアソシエーションを手動で作成する方法」を参照してください。

ipseckey コマンドには少数の一般オプションしかありませんが、多くのコマンド言語をサポートしています。マニュアルキー操作に固有のプログラムインタフェースで要求を配信するように指定することもできます。詳細については、pf_key(7P) のマニュアルページを参照してください。

ipseckey におけるセキュリティーについて

ipseckey コマンドを使用すると、スーパーユーザーまたは Network Security または Network IPsec Management 権利プロファイルの役割を引き受けたユーザーは、暗号鍵に関する機密情報を入力できます。場合によっては、不正にこの情報にアクセスして IPsec トラフィックのセキュリティーを損なうことも可能です。

鍵情報を扱う場合および ipseckey コマンドを使用する場合には、次のことに注意してください。

セキュリティーの弱点の多くは、実際のツールではなく、ツールの使用方法にあります。ipseckey コマンドを使用するときには注意が必要です。各操作の最も安全なモードでコンソールを使用するか、ハード接続の TTY を使用してください。