次の手順では、アドレス選択ポリシーテーブルを変更する方法について説明します。IPv6 デフォルトアドレス選択の概念については、「ipaddrsel コマンド」を参照してください。
次の手順に示す理由がない場合は、IPv6 アドレス選択ポリシーテーブルを変更しないでください。このポリシーテーブルを間違って変更すると、ネットワーク上で問題が発生する可能性があります。次の手順に示すように、このポリシーテーブルは必ずバックアップを保存してください。
Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
現在の IPv6 アドレス選択ポリシーテーブルを調査します。
# ipaddrsel # Prefix Precedence Label ::1/128 50 Loopback ::/0 40 Default 2002::/16 30 6to4 ::/96 20 IPv4_Compatible ::ffff:0.0.0.0/96 10 IPv4 |
デフォルトアドレス選択ポリシーテーブルのバックアップを作成します。
# cp /etc/inet/ipaddrsel.conf /etc/inet/ipaddrsel.conf.orig |
テキストエディタを使用して、/etc/inet/ipaddrsel.conf を自分用にカスタマイズします。
/etc/inet/ipaddrsel のエントリには、次の構文を使用します。
prefix/prefix-length precedence label [# comment ] |
次に、デフォルトアドレス選択ポリシーテーブルに一般的に行われる変更の例を示します。
6to4 アドレスに最高の優先度を付ける場合。
2002::/16 50 6to4 ::1/128 45 Loopback |
6to4 アドレス書式の優先度は現在、最高の50 です。Loopback の優先度は、以前は 50 でしたが、現在は 45 です。ほかのアドレス書式の優先度は変わりません。
特定の宛先アドレスとの通信において、特定のソースアドレスを使用するように指示する場合。
::1/128 50 Loopback 2001:1111:1111::1/128 40 ClientNet 2001:2222:2222::/48 40 ClientNet ::/0 40 Default |
このエントリは、物理インタフェースが 1 つしかないホストの場合に役立ちます。ここで、2001:1111:1111::1/128 は、ネットワーク 2001:2222:2222::/48 内にある宛先に向けられたすべてのパケットのソースアドレスとして優先されます。優先度 40 は、このインタフェースに構成されたほかのアドレス書式よりも、ソースアドレス 2001:1111:1111::1/128 を優先することを指示します。
IPv6 アドレスよりも IPv4 アドレスを優先する場合。
::ffff:0.0.0.0/96 60 IPv4 ::1/128 50 Loopback . . |
このテーブルでは、IPv4 書式 ::ffff:0.0.0.0/96 の優先度をデフォルトの 10 からテーブル内で最高の 60 に変更しています。
変更したポリシーテーブルをカーネルにロードします。
ipaddrsel -f /etc/inet/ipaddrsel.conf |
変更したポリシーテーブルに問題がある場合は、IPv6 デフォルトアドレス選択ポリシーテーブルを復元します。
# ipaddrsel -d |