Solaris のシステム管理 (IP サービス)

IPv6 ネットワークの概要

この節では、IPv6 ネットワークトポロジの基本である用語を紹介します。次の図に、IPv6 ネットワークの基本部分を示します。

図 3–1 IPv6 ネットワークの基本部分

次のテキストは図について説明します。

この図は、IPv6 ネットワークとその ISP への接続を示します。内部ネットワークはリンク 1、リンク 2、リンク 3、およびリンク 4 から構成されます。各リンクはホストによって生成され、ルーターによって終了します。リンク 4 は内部ネットワークの DMZ であり、片方の終端は境界ルーターによって終了します。境界ルーターは ISP への IPv6 トンネルを実行して、内部ネットワークにインターネット接続を提供します。リンク 2 とリンク 3 はサブネット 8a として管理されます。サブネット 8b はリンク 1 上のシステムだけから構成されます。サブネット 8c はリンク 4 で DMZ につながります。

図 3–1 に示すとおり、IPv6 ネットワークの構成要素は IPv4 と本質的に同じです。しかし、IPv6 の専門用語は IPv4 と少しだけ異なります。次に、IPv6 で使用されるネットワーク構成要素の専門用語を示します。

ノード

IPv6 アドレスと IPv6 サポート用に構成されたインタフェースを持つシステム。この用語は汎用であり、ホストとルーターの両方に使用されます。

IPv6 ルーター

IPv6 パケットを転送するノード。少なくとも、ルーターのインタフェースの 1 つは IPv6 サポート用に構成されている必要があります。また IPv6 ルーターは、内部ネットワーク経由で、企業の登録済み IPv6 サイト接頭辞を通知できます。

IPv6 ホスト

IPv6 アドレスを持つノード。IPv6 ホストは、IPv6 サポート用に構成されたインタフェースを複数持つことができます。IPv4 と同様に、IPv6 ホストはパケットを転送しません。

リンク

単一の連続するネットワークメディア。一方の終端にルーターが存在します。

近傍

ローカルノードと同じリンク上にある IPv6 ノード。

IPv6 サブネット

IPv6 ネットワークの管理セグメント。IPv4 と同様に、IPv6 サブネットの構成要素はリンク上のすべてのノードに直接対応付けることができます。必要に応じて、リンク上のノードは別個のサブネット内で管理できます。さらに、IPv6 はマルチリンクサブネットをサポートします。マルチリンクサブネットでは、複数のリンク上の複数のノードを単一のサブネットの構成要素にできます。図 3–1 のリンク 2 とリンク 3 は、マルチリンクサブネット 8a の構成要素です。

IPv6 トンネル

ある IPv6 ノードとほかの IPv6 ノードのエンドポイント間に仮想 P2P パスを提供するトンネル。IPv6 は、手動構成可能なトンネルと自動 6to4 トンネルをサポートします。

境界ルーター

ネットワークの終端にあり、IPv6 トンネルの片側をローカルネットワーク外のエンドポイントに提供するルーター。境界ルーターは、内部ネットワークへの IPv6 インタフェースを少なくとも 1 つ持っている必要があります。外部ネットワークのルーターは、IPv6 インタフェースまたは IPv4 インタフェースのどちらを持っていてもかまいません。