本来、6to4 ルーターと 6to4 リレールーター間のトンネルは安全ではありません。これらのルーター間のトンネルには、次のようなセキュリティー問題が内在しています。
6to4 リレールーターはパケットのカプセル化とカプセル化の解除を行いますが、パケット内に含まれるデータのチェックは行いません。
アドレスのスプーフィングは、6to4 リレールーターとの間で構築されるトンネルにおける際立った問題です。着信トラックについては、6to4 ルーターはリレールーターの IPv4 アドレスを送信元の IPv6 アドレスと対応させることができないという問題があります。このため、IPv6 ホストのアドレスは簡単にスプーフィングされかねません。6to4 リレールーターのアドレスもスプーフィングの可能性があります。
デフォルトの設定では、6to4 ルーターと 6to4 リレールーター間に信頼できるメカニズムは存在しません。したがって、6to4 ルーターは 6to4 リレールーターが信頼できるものであるかどうかを識別できず、正規の 6to4 リレールーターであるかすら確認できません。このようなことから、6to4 サイトと宛先の IPv6 サイト間に信頼関係が存在していることか、あるいは攻撃を受けるという可能性を両サイトとも受け入れることが求められます。
これらの問題を始めとする 6to4 リレールーターのセキュリティー問題については、Internet Draft『Security Considerations for 6to4』で説明されています。一般には、6to4 リレールーターのサポートは次のような場合だけ検討してください。
信頼できるプライベートな IPv6 ネットワークとの間で 6to4 サイトが通信を行う場合。たとえば、独立した 6to4 サイトとネイティブ IPv6 サイトから構成されるキャンパスネットワーク上などでこのサポートを有効にすると便利かもしれません。
ビジネス上の理由で、6to4 サイトと特定のネイティブ IPv6 ホストとの通信を避けることができない場合。
Internet Draft『Security Considerations for 6to4』で提唱されている検査と信頼できるモデルを導入した場合。