Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

NIS のバインド

NIS クライアントは、バインドプロセスにより NIS サーバーから情報を取得します。バインドプロセスは、サーバーリストおよび同報通信という 2 つのモードのどちらかで動作できます。

サーバーリストモード

サーバーリストモードでは、バインドプロセスは次のように動作します。

  1. NIS マップで提供された情報を必要とする、NIS クライアントマシン上で動作しているプログラムが、ypbind にサーバー名を要求します。

  2. ypbind が、/var/yp/binding/domainname/ypservers ファイルを調べてドメインの NIS サーバーリストを見つけます。

  3. ypbind が、NIS サーバーリストの先頭サーバーへのバインドを開始します。先頭サーバーが応答しない場合、ypbind はサーバーが見つかるまで、あるいは NIS サーバーリストの最後に達するまで、2 番目以降のサーバーへのバインドを順に試みます。

  4. ypbind が、どのサーバーにアクセスすべきかをクライアントプロセスに通知します。次に、クライアントプロセスが直接、サーバーに要求を送信します。

  5. NIS サーバー上の ypserv デーモンが、該当するマップを調べて要求を処理します。

  6. ypserv デーモンが、要求された情報をクライアントに送り返します。

同報通信モード

同報通信モードでは、バインドプロセスは次のように動作します。

  1. 同報通信オプション (broadcast) が設定されている状態で ypbind を起動する必要があります。

  2. ypbind が、RPC 同報通信を送出して NIS サーバーを探索します。


    注 –

    このようなクライアントをサポートするには、NIS サービスを要求している各サブネット上に 1 つの NIS サーバーが存在する必要があります。


  3. ypbind が、同報通信に応答する先頭サーバーへのバインドを開始します。

  4. ypbind が、どのサーバーにアクセスすべきかをクライアントプロセスに通知します。次に、クライアントプロセスが直接、サーバーに要求を送信します。

  5. NIS サーバー上の ypserv デーモンが、該当するマップを調べて要求を処理します。

  6. ypserv デーモンが、要求された情報をクライアントに送り返します。

通常、いったんクライアントがサーバーにバインドされると、何らかの原因でバインドが解除されるまではクライアントはサーバーにバインドされたままになります。たとえば、サーバーがサービスを提供できなくなると、このサーバーがサービスを提供していたクライアントは、新しいサーバーにバインドされます。

どの NIS サーバーが現在、特定クライアントにサービスを提供しているかを調べる場合は、次のコマンドを入力してください。

%ypwhich machinename

machinename は、クライアント名です。マシン名が指定されていない場合は、ypwhich はデフォルトとしてローカルマシン (コマンドが実行されるマシン) を使用します。