Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

LDAP クライアントステータスの監視

以降の節では、LDAP クライアント環境の状態判定に使用するさまざまなコマンドを紹介します。使用可能なオプションの詳細については、マニュアルページも参照してください。

サービス管理機能の概要は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 18 章「サービスの管理 (概要)」を参照してください。また、詳細については、svcadm(1M) および svcs(1) のマニュアルページを参照してください。

ldap_cachemgr が実行中であることを確認する

ldap_cachemgr デーモンは、常に実行中で適切に機能している必要があります。このデーモンが機能していない場合、システムは動作しません。LDAP クライアントを起動すると、ldap_cachemgr デーモンが自動的に起動します。したがって、ldap_cachemgr が実行されていない場合は、LDAP クライアントが使用不能になります。LDAP クライアントがオンラインであるかどうかを確認する 2 つの方法を次に示します。

ldap_cachemgr デーモンの詳細については、ldap_cachemgr(1M) のマニュアルページを参照してください。

現在のプロファイル情報の確認

スーパーユーザーになるか、同等の役割になり、ldapclientlist オプションで実行します。


# ldapclient list
NS_LDAP_FILE_VERSION= 2.0
NS_LDAP_BINDDN= cn=proxyagent,ou=profile,dc=west,dc=example,dc=com
NS_LDAP_BINDPASSWD= {NS1}4a3788e8c053424f
NS_LDAP_SERVERS= 192.168.0.1, 192.168.0.10
NS_LDAP_SEARCH_BASEDN= dc=west,dc=example,dc=com
NS_LDAP_AUTH= simple
NS_LDAP_SEARCH_REF= TRUE
NS_LDAP_SEARCH_SCOPE= one
NS_LDAP_SEARCH_TIME= 30
NS_LDAP_SERVER_PREF= 192.168.0.1
NS_LDAP_PROFILE= pit1
NS_LDAP_CREDENTIAL_LEVEL= proxy
NS_LDAP_SERVICE_SEARCH_DESC= passwd:ou=people,?sub
NS_LDAP_SERVICE_SEARCH_DESC= group:ou=group,dc=west,dc=example,dc=com?one
NS_LDAP_BIND_TIME= 5

/var/ldap ファイルは現在 ASCII 形式ですが、バイナリに変更される可能性があるため、このファイルを連結すると問題が発生する可能性があります。この情報へのアクセスにサポートされている方式は、ldapclient list です。詳細については、ldapclient(1M) のマニュアルページを参照してください。

基本的なクライアント/サーバー間通信の検証

クライアントが LDAP サーバーに対して通信を行なっていることを確認する最善の方法は、ldaplist コマンドを使用することです。引数を付けずに ldaplist だけを指定して実行すると、サーバー上のすべてのコンテナがダンプされます。この方法はコンテナが存在している限り可能で、コンテナを生成する必要がありません。詳細については、ldaplist(1) のマニュアルページを参照してください。

最初の手順が成功したら、ldaplist passwd username または ldaplist hosts hostname を実行できますが、大量のデータが含まれている場合には、生成量の少ないサービスを選ぶか、headmore コマンドを使用してデータをパイプ処理することもできます。

クライアント以外のマシンからのサーバーデータの確認

前述のコマンドの大半は、LDAP クライアントを作成済みであることが前提です。クライアントを作成していない状態でサーバー上のデータをチェックする場合は、ldapsearch コマンドを使用します。次の例では、すべてのコンテナをリスト表示します。


# ldapsearch -h server1 -b "dc=west,dc=example,dc=com" -s one "objectclass=*"

Solaris 9 およびそれ以前のリリースでは、ldapsearch コマンドはデフォルトで、非標準のテキスト表現で出力を生成していました。それより後の Solaris リリースの ldapsearch のデフォルト出力は、RFC-2849 で定義されている業界標準の LDIF フォーマットです。ldapsearch のすべてのバージョンで、-L オプションを使用することによって LDIF フォーマットを出力できます。