pam.conf(4) ファイルを変更していない場合、デフォルトで pam_unix の機能が有効になっています。
pam_unix モジュールは削除されたので、Solaris ではサポートされていません。その他のサービスモジュールによって、同等またはそれ以上の機能が提供されます。したがって、このマニュアルでは、pam_unix は pam_unix モジュールではなくその同等の機能を指します。
pam_unix と同等の機能を提供するモジュールは、次のとおりです。
pam_unix は従来の UNIX 認証モデルに従い、次のように動作します。
クライアントは、ネームサービスからユーザーの暗号化されたパスワードを取得します。
ユーザーは、ユーザーパスワードの入力を求められます。
ユーザーのパスワードが暗号化されます。
クライアントは、暗号化された 2 つのパスワードを比較して、ユーザーを認証するかどうかを決定します。
pam_unix を使用する場合、次の 2 つの制限が存在します。
パスワードは、平文を含むほかの暗号化方式ではなく、UNIX crypt 形式で格納する必要があります。
userPassword 属性は、ネームサービスから読み取り可能でなければなりません。
たとえば、資格レベルを匿名に設定する場合、すべてのユーザーに対してuserPassword 属性を読み取り可能にする必要があります。同様に、資格レベルを proxy に設定する場合、userPassword 属性の読み取りをプロキシユーザーに許可する必要があります。
pam_unix は、sasl 認証方式 digest-MD5 と互換性がありません。これは、Sun Java System Directory Server では digest-MD5 を使用するためにパスワードを平文で格納する必要があるのに対し、pam_unix ではパスワードを crypt 形式で格納する必要があるためです。
Solaris 10 10/09 リリース以降では、enableShadowUpdate スイッチが true に設定されていると、pam_unix でアカウント管理がサポートされます。リモート LDAP ユーザーアカウントのコントロールは、passwd および shadow ファイルに定義されたローカルユーザーアカウントに適用されるコントロールと同じように適用されます。enableShadowUpdate モードでは、LDAP アカウントについてはシステムが更新を行い、パスワードの有効期限管理とアカウントのロックのために LDAP サーバー上のシャドウデータを使用します。ローカルアカウントのシャドウデータはローカルクライアントシステムに適用されるのに対して、LDAP ユーザーアカウントのシャドウデータはすべてのクライアントシステムのユーザーに適用されます。
パスワードの履歴チェックは、ローカルクライアントに対してのみサポートされ、LDAP ユーザーアカウントに対してはサポートされません。