nisplusLDAPobjectDN には、対応づけられた NIS+ オブジェクトごとに、オブジェクトデータが常駐する LDAP DIT 内の対応する場所を設定します。また、LDAP エントリが削除されたときに実行する処理も指定できます。nisplusLDAPobjectDN 値は、3 つの部分から構成されます。最初の部分には、LDAP データの読み込み元を指定します。2 番目の部分には、LDAP データの書き込み先を指定します。3 番目の部分には、LDAP データが削除されたときの処理を指定します。次の例を参照してください。
nisplusLDAPobjectDN rpc_table:\ cn=rpc,ou=nisPlus,?base?\ objectClass=nisplusObjectContainer:\ cn=rpc,ou=nisPlus,?base?\ objectClass=nisplusObjectContainer,\ objectClass=top |
この例では、rpc.org_dir テーブルオブジェクトが DN cn=rpc,ou=nisPlus から読み込まれます。このとき、DN 値がコンマで終了しているため、defaultSearchBase 属性 (検索範囲) の値として base が付加されます。また、ObjectClass 属性の値が nisplusObjectContainer であるエントリが選択されます。
このテーブルオブジェクトは、読み込み元と同じ場所に書き込まれます。削除については指定されていないため、デフォルトの処理が実行されます。NIS+ テーブルオブジェクトが削除されると、LDAP エントリ全体も削除されます。
データを読み込むだけで LDAP に書き込まない場合は、書き込み部分を省略し、読み込み部分との区切り文字であるコロンも省略します。
nisplusLDAPobjectDN rpc_table:\ cn=rpc,ou=nisPlus,?base?\ objectClass=nisplusObjectContainer |
nisplusObjectContainer オブジェクトクラスは、RFC 2307 に準拠していません。このオブジェクトクラスを使用するには、LDAP サーバーを 「テーブルエントリ以外の NIS+ オブジェクトのマッピング」で説明するように構成します。
rpc.org_dir テーブルエントリには、次の例も使用できます。
nisplusLDAPobjectDN rpc:ou=Rpc,?one?objectClass=oncRpc:\ ou=Rpc,?one?objectClass=onRpc,objectClass=top |
この例では、テーブルエントリの読み込みおよび書き込みが、ベース ou=Rpc に対して行われます。コンマで終了しているため、defaultSearchBase 値が付加されます。objectClass 属性の値が oncRpc であるエントリを選択してください。LDAP の ou=Rpc コンテナ内にエントリを作成するときは、objectClass の値として top も指定する必要があります。
デフォルト以外の削除を指定する場合は、次の例を参照してください。
nisplusLDAPobjectDN user_attr:\ ou=People,?one?objectClass=SolarisUserAttr,\ solarisAttrKeyValue=*:\ ou=People,?one?objectClass=SolarisUserAttr:\ dbid=user_attr_del |
user_attr.org_dir データは、ou=People LDAP コンテナに存在します。このコンテナは、ほかのソース (passwd.org_dir NIS+ テーブルなど) のアカウント情報も入ります。
そのコンテナ内のエントリから、solarisAttrKeyValue 属性を持つものを選択してください。user_attr.org_dir データが、これらのエントリにだけ含まれるためです。nisplusLDAPobjectDN の dbid=user_attr_del 部分の定義によって、user_attr.org_dir NIS+ テーブル内のエントリが削除されると、対応する LDAP エントリが存在する場合は、データベース ID が user_attr_del のルールセットのルールに基づいて削除されます。詳細については、「nisplusLDAPcolumnFromAttribute 属性」を参照してください。