Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedureダイヤルアップパスワードを作成する方法


注意 – 注意 –

最初にダイヤルアップパスワードを設定するときには、少なくとも 1 つのポートにログインしたまま別のポートでパスワードをテストしてください。ログアウトして新しいパスワードをテストすると、元どおりログインできなくなることがあります。まだ別のポートにログインしていれば、元に戻ってミスを訂正できます。


  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. シリアルデバイスの一覧が入った /etc/dialups ファイルを作成します。

    このファイルには、ダイヤルアップパスワードで保護されているすべてのポートを含めてください。/etc/dialups ファイルは次のようになります。


    /dev/term/a
    /dev/term/b
    /dev/term/c
  3. ダイヤルアップパスワードを要求するログインプログラムが入った /etc/d_passwd ファイルを作成します。

    uucicoshkshcsh など、ユーザーがログイン時に実行できるシェルプログラムを含めます。/etc/d_passwd ファイルは次のようになります。


    /usr/lib/uucp/uucico:encrypted-password:
    /usr/bin/csh:encrypted-password:
    /usr/bin/ksh:encrypted-password:
    /usr/bin/sh:encrypted-password:

    この手順の後半で、各ログインプログラムに暗号化されたパスワードを追加することになります。

  4. 2 つのファイルの所有権を root に設定します。


    # chown root /etc/dialups /etc/d_passwd
  5. 2 つのファイルのグループの所有権を root に設定します。


    # chgrp root /etc/dialups /etc/d_passwd
  6. 2 つのファイルに root の読み取り権と書き込み権を設定します。


    # chmod 600 /etc/dialups /etc/d_passwd
  7. 暗号化パスワードを作成します。

    1. 一時的なユーザーを作成します。


      # useradd username
      
    2. 一時的なユーザーのパスワードを作成します。


      # passwd username
      New Password:  <Type password>
      Re-enter new Password:   <Retype password>
      passwd: password successfully changed for username
      
    3. 暗号化パスワードを取り出します。


      # grep username /etc/shadow > username.temp
    4. username.temp ファイルを編集します。

      暗号化パスワードを除くすべてのフィールドを削除します。2 つ目のフィールドに、暗号化パスワードが入っています。

      たとえば、次の行では、暗号化パスワードは U9gp9SyA/JlSk です。


      temp:U9gp9SyA/JlSk:7967:::::7988:
    5. 一時的なユーザーを削除します。


      # userdel username
      
  8. username.temp ファイルから /etc/d_passwd ファイルに暗号化パスワードをコピーします。

    ログインシェルごとに別のパスワードを作成することも、共通のパスワードを使用することもできます。

  9. パスワードをダイヤルアップユーザーに知らせます。

    盗聴のおそれがない方法でパスワードを知らせる必要があります。