Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

setuid アクセス権

setuid アクセス権を実行可能ファイルに設定すると、このファイルを実行するプロセスにはその実行可能ファイルを実行しているユーザーではなく、ファイルの所有者に基づいてアクセス権が与えられます。この特殊なアクセス権を使用すると、通常は所有者しか利用できないファイルやディレクトリにアクセスできます。

たとえば、passwd コマンドの setuid アクセス権によってユーザーはパスワードを変更できます。次に、setuid アクセス権のある passwd コマンドの例を示します。


-r-sr-sr-x   3 root     sys       28144 Jun 17 12:02 /usr/bin/passwd

この特殊なアクセス権は、プロセスの実行が終了したあとでも、高度な知識のあるユーザーは setuid プロセスによって与えられたアクセス権を維持する手段を見つけることができるため、セキュリティー上の危険が存在します。


注 –

プログラムから予約済み UID (0 から 99) で setuid アクセス権を使用しても、実効 UID は正しく設定されない場合があります。シェルスクリプトを使用するか、setuid アクセス権では予約済み UID を使用しないようにしてください。