Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure特殊なファイルアクセス権を絶対モードで変更する方法

  1. ファイルまたはディレクトリの所有者でない場合は、スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    現在の所有者またはスーパーユーザー能力を持つユーザーだけが、chmod コマンドを使用してファイルまたはディレクトリの所有者を変更できます。

  2. 特殊なアクセス権を絶対モードで変更します。


    % chmod nnnn filename
    
    nnnn

    ファイルまたはディレクトリのアクセス権を変更する 8 進数値を指定します。一番左端の 8 進数値で、ファイルに特殊なアクセス権を設定します。特殊なアクセス権に有効な 8 進数値の一覧は、表 6–6 を参照してください。

    filename

    ファイルまたはディレクトリを指定します。


    注 –

    chmod コマンドを使用して ACL エントリを持つファイルのグループアクセス権を変更する場合、グループアクセス権と ACL マスクの両方が新しいアクセス権に変更されます。新しい ACL マスクのアクセス権は、そのファイル上に ACL エントリを持つ追加ユーザーおよびグループのアクセス権を変更する場合があるので注意が必要です。getfacl コマンドを使用して、すべての ACL エントリに適切なアクセス権が設定されていることを確認してください。詳細は、getfacl(1) のマニュアルページを参照してください。


  3. ファイルのアクセス権が変更されていることを確認します。


    % ls -l filename
    

例 6–5 絶対モードによる特殊なファイルアクセス権の設定

次の例は、dbprog ファイルに setuid のアクセス権を設定します。


# chmod 4555 dbprog
# ls -l dbprog
-r-sr-xr-x   1 db     staff        12095 May  6 09:29 dbprog

次の例では、dbprog2 ファイルに setgid のアクセス権を設定します。


# chmod 2551 dbprog2
# ls -l dbprog2
-r-xr-s--x   1 db     staff       24576 May  6 09:30 dbprog2

次の例では、public_dir ディレクトリにスティッキービットのアクセス権を設定します。


# chmod 1777 public_dir
# ls -ld public_dir
drwxrwxrwt   2 ignatz   staff          512 May 15 15:27 public_dir