Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

サーバーに対する資格の取得

  1. 特定のサーバーにアクセスするには、クライアントがその前にサーバーに対する資格を認証サービスから取得している必要があります。「チケット認可サービスに対する資格の取得」を参照してください。次にクライアントは、チケット認可サービスに要求を送信します。この要求には、サービス主体名、チケット 1 およびセッション鍵 1 で暗号化されたオーセンティケータが含まれています。チケット 1 は、チケット認可サービスのサービス鍵を使用して認証サービスによって暗号化されたものです。

  2. チケット認可サービスはチケット認可サービスのサービス鍵を知っているため、チケット 1 の暗号を解除できます。チケット 1 の情報にはセッション鍵 1 が含まれているため、チケット認可サービスはオーセンティケータの暗号を解除できます。この時点で、ユーザー主体はチケット認可サービスによって認証されます。

  3. 認証が正常に終了すると、チケット認可サービスは、ユーザー主体とサーバーに対するセッション鍵 (セッション鍵 2) とサーバーに対するチケット (チケット 2) を生成します。次にセッション鍵 2 とチケット 2 はセッション鍵 1 を使って暗号化されます。セッション鍵 1 を知っているのはクライアントとチケット認可サービスだけであるため、この情報は安全であり、ネットワークを介して安全に送信されます。

  4. クライアントはこの情報パケットを受信すると、前に資格キャッシュに格納したセッション鍵 1 を使用して情報を復号化します。クライアントは、サーバーに対して使用する資格を取得したことになります。次にクライアントは、そのサーバーの特定のサービスにアクセスする要求を行います。

図 27–3 サーバーに対する資格の取得

クライアントは、まずセッション鍵 1 で暗号化した要求を KDC に送信し、次に受け取った資格を同じセッション鍵で復号化します。