Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure監査トレールの監査ファイルをマージする方法

すべての監査ディレクトリ内のすべての監査ファイルをマージすると、監査トレール全体の内容を分析できます。auditreduce コマンドを使用すると、入力ファイルのすべてのレコードが 1 つの出力ファイルにマージされます。マージが完了すると、入力ファイルを削除できます。出力ファイルが /etc/security/audit/server-name/files という名前のディレクトリに配置されている場合、完全パスを指定しなくても、auditreduce コマンドは出力ファイルを検索できます。


注 –

この手順は、バイナリ監査レコードだけに適用します。


  1. Audit Review プロファイルを含む役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    System Administrator 役割には、 Audit Review プロファイルが含まれます。Audit Review プロファイルを含む役割を別々に作成することもできます。役割を作成する方法と役割をユーザーに割り当てる方法については、「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. マージされた監査ファイルを格納するディレクトリを作成します。


    # mkdir audit-trail-directory
    
  3. ディレクトリへのアクセスを制限します。


    # chmod 700 audit-trail-directory
    # ls -la audit-trail-directory
    drwx------   3 root     sys          512 May 12 11:47 .
    drwxr-xr-x   4 root     sys         1024 May 12 12:47 ..
  4. 監査トレール内の監査レコードをマージします。

    ディレクトリを audit-trail-directory に変更して、指定した接尾辞を持つファイルに監査レコードをマージします。ローカルシステム上にある audit_control ファイルの dir 行に指定されているすべてのディレクトリがマージされます。


    # cd audit-trail-directory
    # auditreduce -Uppercase-option -O suffix
    

    大文字オプションを auditreduce コマンドに指定すると、監査トレール内のファイルを操作できます。次の大文字オプションがあります。

    -A

    監査トレール内のすべてのファイルを選択します。

    -C

    完全ファイルだけを選択します。このオプションは、接尾辞 not_terminated を持つファイルを無視します。

    -M

    特定の接尾辞を持つファイルを選択します。接尾辞はマシン名、またはサマリーファイルに指定した接尾辞です。

    -O

    開始時刻と終了時刻を示す 14 文字のタイムスタンプおよび接尾辞 suffix が付いた監査ファイルを現在のディレクトリに作成します。


例 30–28 サマリーファイルに監査ファイルをコピーする

次の例では、System Administrator 役割 sysadmin は、すべてのファイルを監査トレールからマージされたファイルにコピーします。


$ whoami
sysadmin
$ mkdir /var/audit/audit_summary.dir
$ chmod 700 /var/audit/audit_summary.dir
$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -A -O All
$ ls *All
20030827183214.20030827215318.All

次の例では、完全ファイルだけが監査トレールからマージされたファイルにコピーされます。


$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -C -O Complete
$ ls *Complete
20030827183214.20030827214217.Complete

次の例では、完全ファイルだけが example1 マシンからマージされたファイルにコピーされます。


$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -M example1 -O example1summ
$ ls *summ
20030827183214.20030827214217.example1summ


例 30–29 監査ファイルをサマリーファイルに移動する

auditreduce- D オプションを指定すると、監査ファイルをほかの場所にコピーしたときにその監査ファイルを削除します。次の例では、あるシステムの完全監査ファイルを、あとで調べるためにサマリーディレクトリにコピーします。


$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -C -O daily_example1 -D example1
$ ls *example1
20030827183214.20030827214217.daily_example1

このコマンドが正常に完了すると、*daily_example1 ファイルへの入力となった example1 システムの監査ファイルが削除されます。