Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure監査トレールから監査イベントを選択する方法

調べる監査レコードをフィルタリングすることができます。フィルタリングオプションの一覧については、auditreduce(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. Audit Review プロファイルを含む役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    System Administrator 役割には、 Audit Review プロファイルが含まれます。Audit Review プロファイルを含む役割を別々に作成することもできます。役割を作成する方法と役割をユーザーに割り当てる方法については、「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 監査トレールまたは指定した監査ファイルから必要なレコードを選択します。


    auditreduce -lowercase-option argument [optional-file]
    argument

    小文字オプションが必要とする特定の引数。たとえば、-c オプションは、ua などの監査クラスの argument を必要とします。

    -d

    特定の日付のイベントをすべて選択します。argument の日付の形式は、yyyymmdd です。ほかの日付オプション -b-a は、特定の日付の前と後のイベントを選択します。

    -u

    特定のユーザーのイベント属性をすべて選択します。argument はユーザー名です。もう 1 つのユーザーオプション -e は、実効ユーザー ID のイベント属性をすべて選択します。

    -c

    事前選択された監査クラス内のイベントをすべて選択します。argument は監査クラス名です。

    -m

    特定の監査イベントのインスタンスをすべて選択します。argument は監査イベントです。

    optional-file

    監査ファイルの名前です。


例 30–30 監査ファイルを結合して削減する

auditreduce コマンドを使用すると、入力ファイルの結合時に不要なレコードを除外できます。たとえば、auditreduce コマンドを使用して、1 か月以上経過した監査ファイルから、ログインレコードとログアウトレコード以外のレコードを削除することができます。監査トレール全体が必要になった場合は、バックアップメディアから監査トレールを復元します。


# cd /var/audit/audit_summary.dir
# auditreduce -O lo.summary -b 20030827 -c lo; compress *lo.summary


例 30–31 na 監査レコードをサマリーファイルにコピーする

この例では、監査トレール内の、ユーザーに起因しない監査イベントのすべてのレコードが、1 つのファイルに収集されます。


$ whoami
sysadmin
$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -c na -O nasumm
$ ls *nasumm
20030827183214.20030827215318.nasumm

マージされた nasumm 監査ファイルは、na レコードの開始時刻と終了時刻のタイムスタンプが記録されます。



例 30–32 指定した監査ファイル内で監査イベントを検索する

監査ファイルを手動で選択して、指定された一連のファイルだけを検索できます。たとえば、前の例の *nasumm ファイルをさらに処理して、システムブートイベントを検索できます。これを行うには、auditreduce コマンドの最後の引数にファイル名を指定します。


$ auditreduce -m 113 -O systemboot 20030827183214.20030827215318.nasumm
20030827183214.20030827183214.systemboot

20030827183214.20030827183214.systemboot ファイルは、システムブート監査イベントだけを含みます。



例 30–33 ユーザー監査レコードをサマリーファイルにコピーする

この例では、特定のユーザー名を含む監査トレール内のレコードがマージされます。-e オプションを指定すると実効ユーザーが検索されます。-u オプションを指定すると監査ユーザーが検索されます。


$ cd /var/audit/audit_summary.dir
$ auditreduce -e tamiko -O tamiko

このファイル内の特定のイベントを検索できます。次の例では、2003 年 9 月 7 日にユーザーがログインした時間が確認されます。接尾辞にユーザーの名前が付いたファイルだけが確認されます。日付の短い形式は、yyyymmdd です。


# auditreduce -M tamiko -O tamikolo -d 20030907 -u tamiko -c lo


例 30–34 選択レコードを 1 つのファイルにコピーする

この例では、特定の日付におけるログイン、ログアウトのメッセージが監査トレールから選択されます。これらのメッセージは対象ファイルにマージされます。対象ファイルは、通常の監査ルートディレクトリ以外のディレクトリに書き込まれます。


# auditreduce -c lo -d 20030827 -O /var/audit/audit_summary.dir/logins
# ls /var/audit/audit_summary.dir/*logins
/var/audit/audit_summary.dir/20030827183936.20030827232326.logins