Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure生成される監査レコードの量を削減する方法

使用しているシステムで監査する必要のあるイベントを決定した後、次に示す方法で管理可能な監査ファイルを作成します。

  1. デフォルトの監査ポリシーを使用します。

    具体的には、監査証跡へのイベントと監査トークンの追加を回避します。次のポリシーは、監査証跡のサイズに影響します。

    • arge ポリシー – 環境変数を exec 監査イベントに追加します。

    • argv ポリシー – コマンドパラメータを exec 監査イベントに追加します。

    • public ポリシー – ファイルイベントを監査対象とする場合、公開ファイルで監査可能なイベントが発生するたびに、監査証跡にイベントを追加します。ファイルクラスには、fafcfdfmfrfwcl などがあります。公開ファイルの定義については、「監査の用語と概念」を参照してください。

    • path ポリシー – path トークンを、省略可能な path トークンを含む監査イベントに追加します。

    • group ポリシー – group トークンを、省略可能な newgroups トークンを含む監査イベントに追加します。

    • seq ポリシー – sequence トークンをすべての監査イベントに追加します。

    • trail ポリシー – trailer トークンをすべての監査イベントに追加します。

    • windata_down ポリシー – Trusted Extensions で構成されたシステムで、ラベル付きウィンドウの情報がダウングレードされるときにイベントを追加します。

    • windata_up ポリシー – Trusted Extensions で構成されたシステムで、ラベル付きウィンドウの情報がアップグレードされるときにイベントを追加します。

    • zonename ポリシー – ゾーン名をすべての監査イベントに追加します。大域ゾーンが唯一の構成ゾーンである場合、zone, global をすべての監査イベントに追加します。

    次の監査レコードは、ls コマンドの使用を示しています。ex クラスが監査対象で、デフォルトのポリシーが使用されています。


    header,375,2,execve(2),,mach1,2009-08-06 11:19:57.388 -07:00
    path,/usr/bin/ls
    subject,jdoe,root,root,root,root,1401,737,0 0 mach1
    return,success,0

    すべてのポリシーがオンの場合、同じレコードが次のようになります。


    header,375,2,execve(2),,mach1,2009-08-06 11:19:57.388 -07:00
    path,/usr/bin/ls
    attribute,100555,root,bin,136,432,0
    exec_args,1,ls
    exec_env,9,HOME=/,HZ=,LANG=C,LOGNAME=root,MAIL=/var/mail/root,PATH=/u
    sr/sbin:/usr/bin,SHELL=/sbin/sh,TERM=xterm,TZ=US/Pacific
    path,/lib/ld.so.1
    attribute,100755,root,bin,136,4289,0
    subject,jdoe,root,root,root,root,1401,737,0 0 mach1
    group,root,other,bin,sys,adm,uucp,mail,tty,lp,nuucp,daemon
    return,success,0
    zone,global
    sequence,313540
    trailer,375
  2. audit_syslog.so プラグインを使用して、一部の監査イベントを syslog に送信します。

    この方法は、syslog ログに送信する監査イベントのバイナリレコードを保持する必要がない場合にのみ有効です。auditreduce コマンドを使用すると、レコードからバイナリファイルを取り除くことができるため、バイナリファイルのサイズが削減されます。

  3. 特定のユーザーおよび役割について、監査イベントに audit_user ファイルを使用します。

    audit_control ファイルの監査クラスの数を減らすことにより、すべてのユーザーの監査の量を削減します。audit_user ファイルで、特定のユーザーおよび役割の監査クラスを追加します。

  4. 独自のカスタマイズ監査クラスを作成します。

    使用しているシステムで監査クラスを作成できます。このクラスに、監視が必要な監査イベントをすべて指定します。手順については、「監査クラスの追加方法」を参照してください。


    注 –

    既存の監査クラスの割り当てを変更する場合、新しいバージョンの Solaris OS にアップグレードするときに変更内容が失われることがあります。インストールログを慎重に確認してください。