「認証」とは、遠隔システムにアクセスできるユーザーを特定のユーザーに限定する方法です。認証は、システムレベルでもネットワークレベルでも設定できます。ユーザーが遠隔システムにアクセスすると、「承認」という方法でそのユーザーが実行できる操作が制限されます。次の表は、認証と承認を提供するサービスを示したものです。
表 2–3 遠隔アクセス用の認証サービスと承認サービス
サービス |
説明 |
詳細 |
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IPsec |
IPsec は、ホストに基づく認証および認可に基づく認証と、ネットワークトラフィックの暗号化を行います。 | |
Kerberos |
Kerberos は、システムにログインしているユーザーの認証と承認を暗号化を通して行います。 |
この例は、「Kerberos サービスの動作」を参照してください。 |
LDAP と NIS+ |
LDAP ディレクトリサービスと NIS+ ネームサービスは、ネットワークレベルで認証および承認を行います。 |
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 および『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)』 |
遠隔ログインコマンド |
遠隔ログインコマンドを使用すると、ユーザーはネットワーク経由で遠隔システムにログインし、そのリソースを使用できます。遠隔ログインコマンドには rlogin、rcp、ftp などがあります。「信頼される (trusted) ホスト」の場合、認証は自動的に処理されます。それ以外の場合は、自分自身を認証するように求められます。 | |
SASL |
簡易認証セキュリティー層 (SASL) は、ネットワークプロトコルに認証サービスとセキュリティーサービス (オプション) を提供するフレームワークです。プラグインによって、適切な認証プロトコルを選択できます。 | |
Secure RPC |
Secure RPC を使用すると、遠隔マシン上で要求を出したユーザーの認証が行われ、ネットワーク環境のセキュリティーが高まります。Secure RPC には、UNIX、DES、または Kerberos 認証システムを使用できます。 | |
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Secure RPC を使用すると、NFS 環境にセキュリティーを追加できます。Secure RPC を備えた NFS 環境を Secure NFS と呼びます。Secure NFS は、公開鍵に Diffie-Hellman 認証を使用します。 | |
Solaris Secure Shell |
Solaris Secure Shell は、セキュリティー保護されていないネットワーク上のネットワークトラフィックを暗号化します。Solaris Secure Shell は、パスワードまたは公開鍵、あるいはこの両方による認証を提供します。このサービスは、公開鍵に RSA 認証と DSA 認証を使用します。 |
Secure RPC に匹敵する機能として、Solaris の「特権ポート」メカニズムがあります。特権ポートには、1024 未満のポート番号が割り当てられます。クライアントシステムは、クライアントの資格を認証したあと、特権ポートを使用してサーバーへの接続を設定します。次に、サーバーは接続のポート番号を検査してクライアントの資格を検証します。
Solaris ソフトウェアを使用していないクライアントは、特権ポートを使用して通信できないことがあります。クライアントが特権ポートを使って通信できない場合は、次のようなエラーメッセージが表示されます。
“Weak Authentication NFS request from unprivileged port” |