Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure特権をユーザーまたは役割に割り当てる方法

特定の特権を持つ何人かのユーザーを常に信頼する場合があります。システムのごく一部に影響を与える非常に限定的な特権をユーザーに割り当てることをお勧めします。特権を直接割り当てることによる影響の詳細については、「セキュリティー属性を直接割り当てる場合に考慮すべきセキュリティー事項」を参照してください。

次の手順により、ユーザー jdoe は高分解能タイマーを使用できるようになります。

  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 高分解能時間に影響を与える特権を、ユーザーの最初の継承可能な特権セットに追加します。


    $ usermod -K defaultpriv=basic,proc_clock_highres jdoe
    

    既存の値が defaultpriv キーワードの値で置き換えられます。このため、ユーザーが basic 特権を保持するために、値 basic を指定する必要があります。デフォルトの構成では、すべてのユーザーが基本特権を保持します。

  3. 結果として生じる user_attr エントリを確認します。


    $ grep jdoe /etc/user_attr
    jdoe::::type=normal;defaultpriv=basic,proc_clock_highres

例 11–6 システム時間を構成するための特権付き役割の作成

この例では、システム上の時間の処理を唯一のタスクとする役割を作成します。


$ /usr/sadm/bin/smrole -D nisplus:/examplehost/example.domain \
-r primaryadm -l <Type primaryadm password> \
add -- -n clockmgr \
-c "Role that sets system time" \
-F "Clock Manager" \
-s /bin/pfksh \
-u 108 \
-P <Type clockmgr password> \
-K defaultpriv=basic,proc_priocntl,sys_cpu_config,
proc_clock_highres,sys_time

-K 行は、表示の都合上、折り返して記載されています。

役割がローカルに作成される場合、その役割に対する user_attr エントリは次のようになります。


clockmgr:::Role that sets system time:
type=role;defaultpriv=basic,proc_priocntl,sys_cpu_config,
proc_clock_highres,sys_time