Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Solaris Secure Shell コマンド

次の表は、主要な Solaris Secure Shell コマンドの要約です。

表 20–7 Solaris Secure Shell でのコマンド

コマンド 

説明 

マニュアルページ 

ssh

ユーザーを遠隔マシンにログインさせ、遠隔マシン上でコマンドを安全に実行します。このコマンドは、Solaris Secure Shell での、rlogin コマンドと rsh コマンドに代わるコマンドです。ssh コマンドは、セキュリティー保護されていないネットワークを介して 2 つの信頼できないホスト間でセキュリティー保護された暗号化通信を行うことを可能にします。X11 接続と任意の TCP/IP ポートも、セキュリティー保護されたチャネルを介して転送されます。

ssh(1)

sshd

Solaris Secure Shell 用のデーモンです。このデーモンは、クライアントからの接続を待機します。セキュリティー保護されていないネットワークを介して 2 つの信頼できないホスト間でセキュリティー保護された暗号化通信を行うことを可能にします。 

sshd(1M)

ssh-add

RSA または DSA ID を認証エージェント ssh-agent に追加します。ID は「鍵」とも呼ばれます。

ssh-add(1)

ssh-agent

公開鍵認証時に使用される非公開鍵を保持します。ssh-agent プログラムは、X セッションまたはログインセッションの開始時に起動します。ほかのすべてのウィンドウおよびプログラムは、ssh-agent プログラムのクライアントとして起動します。環境変数を使用すれば、ユーザーが ssh コマンドを使用してほかのシステムにログインするときに、エージェントを検出して認証に使用することができます。

ssh-agent(1)

ssh-keygen

Solaris Secure Shell の認証鍵を生成および管理します。 

ssh-keygen(1)

ssh-keyscan

多数の Solaris Secure Shell ホストの公開鍵を収集します。ssh_known_hosts ファイルの作成および検証時に役立ちます。

ssh-keyscan(1)

ssh-keysign

ssh コマンドがローカルホスト上のホスト鍵にアクセスするときに使用されます。Solaris Secure Shell v2 によるホストに基づく認証中に必要となるデジタル署名を生成します。このコマンドは、ユーザーではなく ssh コマンドによって呼び出されます。

ssh-keysign(1M)

scp

暗号化された ssh トランスポートを介して、ネットワーク上のホスト間でファイルを安全にコピーします。rcp コマンドと異なり、scp コマンドは、パスワード情報が認証に必要な場合、パスワードまたはパスフレーズを要求します。

scp(1)

sftp

ftp コマンドと同様の対話型ファイル転送プログラムです。ftp コマンドと異なり、sftp コマンドは、暗号化された ssh トランスポートを介してすべての操作を実行します。このコマンドは、指定したホスト名に接続してログインし、対話型コマンドモードに入ります。

sftp(1)

次の表は、Solaris Secure Shell のキーワードに優先するコマンドオプションの一覧です。キーワードは、ssh_config ファイルおよび sshd_config ファイルで指定します。

表 20–8 Solaris Secure Shell のキーワードに相当するコマンド行

キーワード 

ssh コマンド行の優先指定

scp コマンド行の優先指定

BatchMode

 

scp -B

BindAddress

ssh -b bind-addr

scp -a bind-addr

Cipher

ssh -c cipher

scp -c cipher

Ciphers

ssh -c cipher-spec

scp -c cipher-spec

Compression

ssh -C

scp -C

DynamicForward

ssh -D SOCKS4-port

 

EscapeChar

ssh -e escape-char

 

ForwardAgent

ssh -A (有効)

ssh -a (無効)

 

ForwardX11

ssh -X (有効)

ssh -x (無効)

 

GatewayPorts

ssh -g

 

IPv4

ssh -4

scp -4

IPv6

ssh -6

scp -6

LocalForward

ssh -L localport:remotehost:remoteport

 

MACS

ssh -m mac-spec

 

Port

ssh -p port

scp -P port

Protocol

ssh -1 (v1 のみ)

ssh -2 (v2 のみ)

 

RemoteForward

ssh -R remoteport:localhost:localport