Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

nisaddcred コマンドを使って資格情報を作成する方法

nisaddcred コマンドを使用して、LOCAL および DES 資格情報を作成します。

LOCAL 資格情報

LOCAL 資格情報を作成するために nisaddcred コマンドを使用すると、nisaddcred コマンドは主体のログインレコードから主体ユーザーの UID (および GID) を抽出し、ドメインの cred テーブルに置きます。

DES 資格情報

DES 資格情報を作成するのに使用した場合、nisaddcred は 2 つのプロセスを実行します。

  1. 主体の Secure RPC ネット名を作成します。Secure RPC ネット名は、パスワードレコードから取得した主体のユーザー ID 番号とドメイン名 (たとえば、unix.1050@doc.com) を結合して作成されます。

  2. 主体の非公開鍵と公開鍵を生成します。

nisaddcred が非公開鍵を暗号化するには、Secure RPC パスワードが必要です。nisaddcred コマンドを引数 -des で呼び出すと、主体の Secure RPC パスワードの入力を要求されます。通常このパスワードは主体のログインパスワードと同じです (異なる場合は、「Secure RPC パスワードとログインパスワードの問題」に示す手順に従ってさらに操作が必要となります)。

nisaddcred コマンドは 1 対の乱数 (Diffie-Hellman 方式を使った 192 ビットの認証鍵) を作成します。この鍵は Diffie-Hellman の鍵ペア (key-pair) または省略して単に「鍵ペア」と呼びます。

この鍵ペアの一方が「非公開鍵」であり、もう一方が「公開鍵」になります。公開鍵は cred テーブルの公開データフィールドに置かれます。非公開鍵は、主体の Secure RPC パスワードで暗号化された後にのみ、非公開データフィールドに置かれます。

図 12–3 nisaddcred コマンドを使って主体の鍵を作成する方法

この図は、nisaddcred コマンドを使って主体の鍵を作成する方法を示しています。

デフォルトでは、cred テーブルをすべての NIS+ 主体 (未認証主体さえも) が読み取れるので、セキュリティ上の予防措置として、主体の非公開鍵を暗号化しています。