Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

テーブル、列、エントリの例

列またはエントリレベルのアクセス権は、追加アクセスを次の 2 つの方法で提供できます。1 つは権利を持つ主体を増やす方法で、もう 1 つは同じ主体に権利を追加する方法です。もちろん、これらを組み合わせることも可能です。以下にその例を示します。

テーブルオブジェクトが、そのテーブルの所有者に対して読み取り権を与えたとします。

表 15–1 テーブル、列、エントリの例 1

 

未認証 

所有者 

グループ 

その他 

テーブルのアクセス権 

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r---

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このことは、テーブルの所有者だけがテーブル全体の内容を読み取れることを意味します。所有者でない主体は、アクセスできません。テーブルのエントリ 2 にグループクラスに対して読み取り権を与えることができます。

表 15–2 テーブル、列、エントリの例 2

 

未認証 

所有者 

グループ 

その他 

テーブルのアクセス権 

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r---

----

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エントリ 2 のアクセス権 

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r---

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テーブルの内容をすべて読み取れるのは所有者だけですが、このテーブルのグループのメンバーであれば、この特定エントリの内容を読み取ることができます。次に、特定の列がその他クラスに読み取り権を与えたとします。

表 15–3 テーブル、列、エントリの例 3

 

未認証 

所有者 

グループ 

その他 

テーブルのアクセス権 

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r---

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エントリ 2 のアクセス権 

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r---

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列 1 のアクセス権 

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r---

その他クラスのメンバーは例 1 のすべてのエントリを読み取ることができます。グループクラスのメンバーは、(その他クラスに属しているので) 列 1 のすべてとエントリ 2 の全列を読み取ることができます。*NP* になっているセルは、「グループ」、「その他」いずれのクラスも読み取りができません (アクセス権がない)。

表 15–4 テーブル、列、エントリの例 4

 

列 1 

列 2 

列 2 

エントリ 1 

読み取り 

*NP*

*NP*

エントリ 2 

読み取り 

読み取り 

読み取り 

エントリ 3 

読み取り 

*NP*

*NP*

エントリ 4 

読み取り 

*NP*

*NP*

エントリ 5 

読み取り 

*NP*

*NP*