この節では、nisinit コマンドを使用してマシンクライアントを初期設定する方法について説明します。nisclient スクリプトを使用すると、より簡単に初期設定できます。「NIS+ クライアントマシンの設定」を参照してください。
nisinit コマンドは、NIS+ クライアントまたはサーバーとなるマシンを初期設定します。rpc.nisd コマンドと同様、nisinit コマンドを使うにはアクセス権は不要ですが、その前提条件と関連作業を知っておく必要があります。「NIS+ クライアントを初期設定する」を参照してください。
クライアントを初期設定するには、次の 3 つの方法があります。
ホスト名による方法
ブロードキャストによる方法
コールドスタートファイルによる方法
前提条件と関連作業は、方法によってそれぞれ異なります。たとえば、ホスト名によってクライアントを初期設定するには、その前にクライアントの /etc/hosts ファイルまたは /etc/inet/ipnodesファイルに、使用するホスト名を登録しなければなりません。また nsswitch.conf ファイルの hosts の最初の選択肢として、files を指定する必要があります。IPv6 アドレスには、hosts の最初の選択肢としてipnodes を指定してください。nisinit コマンドを使う手順を次にまとめてみます。
ホスト名によってクライアントを初期設定するには、-c と -H のオプションを使い、クライアントがそのコールドスタートファイルを取得するサーバー名を指定します。
nisinit -c -H hostname |
コールドスタートファイルによってクライアントを初期設定するには、-c と -C のオプションを使い、コールドスタートファイル名を指定します。
nisinit -c -C filename |
ブロードキャストによってクライアントを初期設定するには、-c と -B のオプションを使います。
nisinit -c -B |
ルートマスターサーバーを初期設定するには、nisinit -r コマンドを使います。
nisinit -r |
ここで次の情報が必要になります。
ルートマスターサーバーとなるマシンのスーパーユーザーパスワード
新しいルートドメイン名。ルートドメイン名は少なくとも 2 つの要素 (ラベル) で構成され、その末尾にドット (ピリオド) が打たれていなければならない (例: something.com)。最後の要素はインターネットの組織ドメイン (表 18–4 を参照) か、2〜3 文字の地域識別子 (日本であれば .jp) のどちらかにするように決められている
ドメイン |
目的 |
---|---|
com |
営利団体 |
edu |
教育機関 |
gov |
行政機関 |
mil |
軍事組織 |
net |
主要ネットワークサポートセンター |
org |
非営利団体 |
int |
国際組織 |