Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

バックアップディレクトリの構造

ドメイン上でバックアップを実行すると、バックアップ転送先ディレクトリ内に、NIS+ ディレクトリオブジェクトごとにサブディレクトリが作成されます。これらのサブディレクトリ名は、完全指定の NIS+ ディレクトリオブジェクト名の末尾にピリオドが付いたものになります。

-a オプションを使用して NIS+ オブジェクト全体を完全にバックアップした場合は、3 つの関連ディレクトリオブジェクト (domain.org_dir.domain.groups_dir.domain.) がすべてバックアップされ、3 つのターゲットサブディレクトリが作成されます。複数のオブジェクトをバックアップすると、サブディレクトリはバックアップしたそれぞれのオブジェクトごとに作成されます。

複数の NIS+ ディレクトリオブジェクトのバックアップサブディレクトリは、それがサブドメインであるかどうかに関係なく、親バックアップ転送先ディレクトリのサブディレクトリになるので注意してください。つまり、nisbackup は、親バックアップ転送先ディレクトリの下にドメインの階層を複製しません。その代わりに、バックアップサブディレクトリはすべて、転送先ディレクトリの単純なサブディレクトリになります。

たとえば、doc.com. のルート、salesmanf のディレクトリオブジェクトを /var/master1_bakup ディレクトリにバックアップする場合、図 21–1 に示すように、/var/master1_bakup ディレクトリ内には 9 個のサブディレクトリが作成されます。

図 21–1 nisbackup によって作成されたディレクトリの例

この図は、nisbackup によって作成されたディレクトリの例を示しています。