Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

ユーザーがパスワードを変更したあと、ログインできない

「症状」

新しいユーザーや、最近パスワードを変更したユーザーが、ログインできません。または、特定のマシンからログインできますが、ほかのマシンからログインできません。そのようなユーザーに対して、次の表現が含まれているエラーメッセージが表示されることがあります。

「最初に考えられる原因」

NIS マシン上でパスワードが変更されました。

NIS+ の名前空間サーバーがサービスを提供しているドメインの中で、NIS を実行している Solaris システムマシン上で、ユーザーまたはシステム管理者が passwd コマンドを使用してパスワードを変更した場合、そのユーザーのパスワードは、そのマシンの /etc/passwd ファイルの中だけで変更されています。そのユーザーが、ネットワーク上のほかのマシンを使用してログインしても、そのマシン上では新しいパスワードは認識されません。NIS+ のパスワードテーブルに格納されている、古いパスワードを使用しなければなりません。

「診断」

そのユーザーの古いパスワードが、NIS+ のほかのマシンでまだ有効かどうかチェックしてください。

「対策」

NIS+ を実行しているマシンで、passwd コマンドを使用して、ユーザーのパスワードを変更します。

「2 番目に考えられる原因」

パスワードの変更を行なっても、システム全体に反映されるまでに時間がかかります。

「診断」

名前空間の変更がドメインやシステム全体に反映されるまでに、ある程度の時間がかかります。ドメインのサイズや複製サーバーの台数により、数秒間で済むこともあれば、何十分もかかることがあります。

「対策」

変更結果がドメインに伝わるまで、常識的に受け入れられる程度の時間、待つだけです。または、nisping org_dir コマンドを使用して、システムを同期させることもできます。