Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

ユーザーのログインがマシン名と同じ

マシン名と同じものを、ユーザーのログイン ID とすることはできません。ユーザー名と同じ名前をマシンに割り当てる (またはその逆) と、最初の主体は、セキュリティに関係するアクセス権を必要とする動作を行うことができなくなります。2 番目の主体の鍵が、cred テーブルの中にある、最初の主体の鍵を上書きするからです。さらに、2 番目の主体は、最初の主体に割り当てられていたアクセス権を持つようになります。

たとえば、saladin というログイン名を持つユーザーが、名前空間の中で読み込み専用のアクセス権を割り当てられていたとします。次に、saladin という名前を持つマシンをドメインに追加します。ユーザー saladin は、何らかの種類のアクセス権を必要とする名前空間の操作を行うことができなくなります。そして、マシン saladin のスーパーユーザーは、名前空間の中で、読み込み専用のアクセス権だけを割り当てられます。

「症状」


注 –

nisclientnisaddcred を実行したときに、「Adding Key」ではなく「Changing Key」というメッセージが表示された場合は、そのドメインの中で、ユーザー名またはホスト名がすでに重複しています。


「診断」

nismatch を実行して、hosts テーブルや passwd テーブル内のホストとユーザーを表示し、各テーブルの中に、同じホスト名やユーザー名が存在しないか確認します。以下に例を示します。


nismatch username passwd.org_dir 

次に、ドメインの cred テーブルを対象にして nismatch を実行し、重複しているホスト名やユーザー名に、どのようなタイプの資格が割り当てられているかを調べます。LOCAL と DES 両方の資格が割り当てられている場合、cred テーブルのエントリはユーザーを表わしています。DES の資格だけが割り当てられている場合、エントリはマシンを表わしています。

「対策」

マシン名を変更します。ユーザー名を変更するより、マシン名を変更することをお勧めします。次に、cred テーブルからそのマシンのエントリを削除し、nisclient を使用して、マシンを NIS+ のクライアントとして初期設定します。nistbladm を使用して、そのマシンのもとの名前に対する別名を hosts テーブルの中に作成することもできます。必要に応じて、cred テーブル内のユーザーの資格を変更します。