Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

環境変数 NIS_PATH

環境変数 NIS_PATH の値を変更することによって、NIS+ が検索するディレクトリのリストを変更または拡張できます。NIS_PATH には、コロンで区切って複数のディレクトリ名を設定できます。次に例を示します。


setenv NIS_PATH directory1: directory2: directory3 ...

または


NIS_PATH=directory1:  directory2: directory3 ...;export NIS_PATH

NIS+ は、これらのディレクトリを左から右へ検索していきます。たとえば、以下のようになります。

この図では、mydir および hosts.org_dir を対応する完全指定ドメイン名に展開しています。

$PATH$MANPATH のように、変数 NIS_PATH には特殊記号 $ を使用できます。$ 記号は、ディレクトリ名に追加するか、または単独で追加できます。ディレクトリ名に追加した場合、NIS+ はその名前にデフォルトディレクトリを追加します。たとえば、以下のようになります。

この図は、sales.doc.com、manf.doc.com および doc.com ディレクトリの NIS_PATH を示しています。

$ 記号を単独で使用する (たとえば、org_dir.$:$) 場合、NIS+ は前述のような標準の名前展開を実行します。つまり、デフォルトディレクトリの検索から始め、親ディレクトリへと進めていきます。NIS_PATH のデフォルト値は $ です。


注 –

NIS_PATH に追加や変更を加えると、NIS+ がより多くの検索を行わなければならないので、性能が低下するという点に注意してください。