NIS+ サーバーは NIS+ クライアントでもあります。サーバーとして設定するマシンは、まずクライアントとして初期化する必要があります。唯一の例外はルートマスターサーバーであり、このサーバーには独自の設定を行う必要があります。
つまり、サーバーはドメインをサポートするだけではなく、ドメインにも「所属する」のです。つまり、クライアントになることによって、サーバーにはホームドメインがあるということです。サーバーのホスト情報は自分のホームドメインの hosts テーブルに格納され、その DES 資格は自分のホームドメインの cred テーブルに格納されます。ほかのクライアントと同様、サーバーは、自分のディレクトリキャッシュに記録されているサーバーに対して、サービス要求を送信します。
忘れてはならない重要な点は、ルートドメインを除いて、サーバーのホームドメインは、そのサーバーがサポートするドメインの「親」ドメインであるということです。
つまり、サーバーは 1 つのドメイン内のクライアントをサポートしますが、別のドメインの「クライアント」になるのです。ルートドメインを除いて、サーバーは自分のサポートするドメインのクライアントにはなれません。ルートドメインをサポートするサーバーには親ドメインがないため、これらはルートドメイン自体に所属します。
たとえば、次のような名前空間を考えてみます。
各サーバーがどのドメインをサポートし、どのドメインに所属するかを次に示します。
サーバー |
サポートするドメイン |
所属するドメイン |
---|---|---|
RootMaster |
doc.com. |
doc.com. |
SalesMaster |
sales.doc.com. |
doc.com. |
IntlSalesMaster |
intl.sales.doc.com. |
sales.doc.com. |
ManfMaster |
manf.doc.com. |
doc.com. |