Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

ルート複製サーバーを作成する方法

  1. NIS+ ドメインのルートマスターサーバー上でスーパーユーザー (root) として次のように入力して、ルート複製サーバーを作成します。


    master1# nisserver -R -d doc.com. -h client1
    This script sets up a NIS+ replica server for domain doc.com.
    Domain name: :doc.com.
    NIS+ server	: :client1
    Is this information correct? (type 'y' to accept, 'n' to change)

    -R オプションは、複製サーバーを構成することを示します。-d オプションは NIS+ ドメイン名 (このサンプルでは doc.com.) を指定します。-h オプションはルート複製サーバーとなるクライアントマシン (この例では client1) を指定します。

  2. y を入力して操作を続けます。

    n を入力すると、スクリプトは正しい情報の入力を要求します。n を入力した場合の操作については、「誤った情報を変更する方法」を参照してください。


    Is this information correct? (type 'y' to accept, 'n' to change) 
    y
    This script will set up machine “client1” as an NIS+ replica server for domain 
    doc.com. without NIS compatibility. The NIS+ server daemon, rpc.nisd, must 
    be running on client1 with the proper options to serve this domain. 
    Do you want to continue? (type 'y' to continue, 'n' to exit this script)
  3. y を入力して操作を続けます。

    n を入力するとスクリプトは問題なく終了します。クライアントマシン上で rpc.nisd が動作していない場合、スクリプトは自動的に終了します。


    Is this information correct? (type 'y' to continue, 'n' to exit this script)
    y
    The system client1 is now configured as a replica server for domain doc.com..
    The NIS+ server daemon, rpc.nisd, must be running on client1 with the proper 
    options to serve this domain. ... 

    注 –

    この複製サーバーを NIS (YP) 互換モードで実行する場合は、/lib/svc/method/nisplus ファイルに -Y オプションを追加します。このファイルの変更が必要となるのは、ルート複製サーバーで NIS クライアント要求を実行する場合で、このサーバーが NIS 互換サーバーとして構成されていない場合に限られます。NIS 互換サーバーの作成方法については、「クライアントを NIS+ サーバーとして構成する方法」を参照してください。NIS+ でのサービス管理機能コマンドの使用方法については、「NIS+ とサービス管理機能」を参照してください。


  4. (省略可能) 複製サーバーを NIS (YP) 互換モードで稼働させることができるように構成します。

    複製サーバーを NIS 互換モードで稼働させるには、次の手順に従います。

    1. NIS+ サービスを停止します。


      # svcadm disable /network/rpc/nisplus:<instance>
      
    2. サーバーの /lib/svc/method/nisplus ファイルを編集して -Y オプションを追加します。

    3. NIS+ サービスを再起動します。


      # svcadm enable /network/rpc/nisplus:<instance>
      
  5. 新たに作成した複製サーバーに名前空間データをロードします。

    これには、次の 2 つの方法があります。

    • NIS+ の保存と復元の機能を使用して、マスターサーバーのデータを保存し、作成した複製サーバーに復元します (こちらの方法をお勧めします)。具体的な手順については、「名前空間データをロードする方法—nisrestore による方法」を参照してください。

    • nisping を実行します。nisping を実行すると、マスターサーバーのすべての NIS+ データを複製サーバーに完全に再同期させることができます。しかし、大きな名前空間の場合、処理に長時間かかることがあります。その間、マスターサーバーはビジーになって応答が遅く、また作成した複製サーバーはまだ NIS+ 要求に応答できない状態になることがあります。具体的な手順については、「名前空間データをロードする方法—nisping による方法」を参照してください。

    名前空間データのロードが終了すれば、マシン client1 は NIS+ ルート複製サーバーとなります。この新しいルート複製サーバーは、ルートドメインのクライアントからの要求を処理できます。これでドメインで使用可能なサーバーが 2 台となるため、要求を速く処理できます。

    これらの手順に従って、複製サーバーを必要なだけ作ることができます。同じ手順を使ってサブドメインに複製サーバーを作ることもできます。