Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

NIS+ とサービス管理機能

NIS+ サービスに関連したコマンド行管理タスクのほとんどは、サービス管理機能 (SMF) によって管理されます。SMF の概要については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「サービスの管理 (概要)」を参照してください。詳細については、svcadm(1M)svcs(1) の各マニュアルページも参照してください。

svcadmrpc.nisd -x とともに使用する

一般に、/usr/sbin/rpc.nisd デーモンは svcadm コマンドを使って管理します。ただし、rpc.nisd-x nisplusLDAPinitialUpdateOnly=yes を使って呼び出された場合、rpc.nisd は指定された操作を実行して、終了します。つまり、rpc.nisd はデーモンとして動作しません。SMF は -x nisplusLDAPinitialUpdateOnly=yes とともに使用しません。SMF は、それ以外で rpc.nisd デーモンを起動、停止、または再起動する場合にいつでも使用できます。

rpc.nisd-x nisplusLDAPinitialUpdateOnly=yes で使用する例を次に示します。


# /usr/sbin/rpc.nisd -m mappingfile \
-x nisplusLDAPinitialUpdateAction=from_ldap \
-x nisplusLDAPinitialUpdateOnly=yes

/lib/svc/method/nisplus ファイルの変更

SMF を使って rpc.nisd デーモンを呼び出すときに特定のオプションを指定する場合は、そのオプションを /lib/svc/method/nisplus ファイルに追加します。次に、よく使われるオプションをいくつか示します。

-S 0

サーバーのセキュリティレベルを 0 に設定します。現時点ではブートストラップに必要です。 

cred テーブルがまだ存在しないので、NIS+ 主体は資格を持つことができません。このため、高いセキュリティレベルを使用すると、サーバーからロックアウトされます。

-B

DNS 転送をサポートします。 

-Y

NIS 互換モードで NIS+ デーモンを起動します。 

/lib/svc/method/nisplus ファイルの変更方法
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、承認と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「役割に基づくアクセス制御の使用 (作業)」を参照してください。

  2. NIS+ サービスを停止します。


    # svcadm disable network/rpc/nisplus:default
    

  3. /lib/svc/method/nisplus ファイルを開きます。

    適切なテキストエディタを使用します。

  4. ファイルを編集して必要なオプションを追加します。

    例 —

    変更前:


    /usr/sbin/rpc.nisd $nisd_flags || exit $?

    変更後:


    /usr/sbin/rpc.nisd $nisd_flags -Y -B || exit $?

    この例では、-Y および -B オプションが rpc.nisd に追加され、起動時に自動的に実装されます。

  5. 保存して終了します。

  6. NIS+ サービスを開始します。


    # svcadm enable network/rpc/nisplus:default