Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

Solaris 10 11/06 以降: 非大域ゾーンの複製について

クローンを使用すると、システムの既存の構成済みおよびインストール済みゾーンをコピーして、新しいゾーンを同一のシステム上に迅速にプロビジョニングできます。少なくとも、複数のゾーンで同一であってはならないコンポーネントに対しては、プロパティーと資源をリセットする必要があります。したがって、zonepath は常に変更する必要があります。さらに、共有 IP ゾーンの場合は、各 net 資源の IP アドレスが異なっている必要があります。排他的 IP ゾーンの場合は、各 net 資源の physical プロパティーが異なっている必要があります。

Solaris 10 5/09: 複製元の zonepath と複製先の zonepath が両方とも ZFS 上にあり、同じプールに含まれる場合、zoneadm clone コマンドは自動的に ZFS を使用してゾーンを複製します。ZFS クローンを使用する場合、データが変更されるまでデータは実際にはコピーされません。したがって、最初の複製にかかる時間はごくわずかです。zoneadm コマンドは、ソース zonepath の ZFS スナップショットを取得して、ターゲット zonepath を設定します。スナップショットには SUNWzoneX という形式の名前が付けられます。この X は、複数のスナップショットを区別するために使用される一意の ID です。ZFS クローンの名前には、複製先ゾーンの zonepath が使用されます。スナップショットがあとで使用されるときにその妥当性をシステムで検証できるように、ソフトウェアインベントリが実行されます。ソースゾーンを何度も複製できるように zoneadm コマンドでは、既存のスナップショットが使用されるように指定できます。既存のスナップショットがターゲットで使用できるかどうかは、システムによって自動的に検証されます。

『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』「ZFS スナップショットを作成および破棄する」で説明されているような手作業によるスナップショットは使用できません。このようなスナップショットには、妥当性検査を実行するためのデータが欠如しています。

ソースゾーンを何度も複製する場合で、複製ごとに新しいスナップショットを作成したくないことがあります。clone サブコマンドの -s パラメータを使用すると、以前の複製で作成した既存のスナップショットを使用するように指定できます。「Solaris 10 5/09: 既存のスナップショットからゾーンを複製する方法」を参照してください。

スナップショットの内容は過去のある時点でのゾーンを表すため、スナップショットの作成以降に、パッチの適用やアップグレードなど何らかの方法でシステムが更新されている可能性があります。ゾーンがアップグレードされていると、スナップショットを現時点のシステムのゾーンとして使用できなくなる可能性があります。


注 –

ZFS クローンを使用してソースを複製できる場合でも、ZFS クローンは行わず ZFS の zonepath をコピーするように指定することができます。


詳細は、「Solaris 10 11/06: 同一システム上での非大域ゾーンの複製」を参照してください。