非大域ゾーンを個別にバックアップしたり、大域ゾーンからシステム全体をバックアップしたりできます。
非大域ゾーンと大域ゾーンでファイルを共有するときには、多くの場合、ループバックファイルシステムの読み取り専用マウント (通常は、/usr、 /lib、/sbin、および /platform) が使用されます。このため、lofs ディレクトリをバックアップするときには、大域ゾーンのバックアップ方式を使用する必要があります。
非大域ゾーンで、大域ゾーンと共有されている lofs ファイルシステムをバックアップしないでください。非大域ゾーンの管理者が非大域ゾーンから lofs ファイルシステムを復元しようとすると、重大な問題が発生することがあります。
次のような場合は、大域ゾーンからバックアップを実行することをお勧めします。
非大域ゾーンの構成をアプリケーションデータと一緒にバックアップする場合。
障害から回復することが最も重要である場合。使用しているゾーンのルートファイルシステムおよびそれらの構成データ、使用している大域ゾーン内のデータなど、システム上のすべてまたはほぼすべての情報を復元する必要がある場合。このような場合は、大域ゾーンでバックアップを実行してください。
ufsdump コマンドを使ってデータをバックアップする場合。物理ディスクデバイスを非大域ゾーンにインポートすると、ゾーンのセキュリティープロファイルが変更されます。このため、ufsdump を使用するときは、必ず大域ゾーンから実行してください。
市販のネットワークバックアップソフトウェアを使用する場合。
ネットワークバックアップソフトウェアを使用するときには、可能であれば、継承された lofs ファイルシステムはすべてスキップするように設定することをお勧めします。バックアップは、ゾーンとそのアプリケーションがバックアップ対象のデータを休止させた状態のときに、行うことをお勧めします。
次のような場合は、非大域ゾーン内でバックアップを実行することをお勧めします。
非大域ゾーンの管理者が、重大度の低い障害から回復する機能、またはゾーンに固有のアプリケーションデータまたはユーザーデータを復元する機能を必要とする場合。
tar や cpio など、ファイル単位でバックアップを行うプログラムを使用する場合。tar(1) および cpio(1) のマニュアルページを参照してください。
ゾーン内で動作する特定のアプリケーションまたはサービスのバックアップソフトウェアを使用する場合。ディレクトリパスやインストール済みソフトウェアなどのアプリケーション環境が大域ゾーンと非大域ゾーンとの間で異なっている場合には、バックアップソフトウェアを大域ゾーンから実行するのが困難な場合があります。
アプリケーションが非大域ゾーンごとのバックアップスケジュールに基づいてスナップショットを実行し、そのバックアップデータを大域ゾーンからエクスポートした書き込み可能なディレクトリに格納できる場合には、大域ゾーンの管理者は大域ゾーンからバックアップする処理の中でそれら個々のバックアップデータを個別に選択できます。