Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

lx ブランドについて

lx ブランドは、ブランドゾーンフレームワークを使用して、Linux バイナリアプリケーションを変更することなく、Solaris オペレーティングシステムのカーネルを備えたマシンで実行できるようにします。

マシンは、サポートされている次の i686 プロセッサタイプのいずれかを備えている必要があります。

サポートされている Linux ディストリビューション

lx ブランドには、CentOS 3.x または Red Hat Enterprise Linux 3.x ディストリビューションを非大域ゾーン内にインストールするために必要なツールが含まれています。各ディストリビューションのバージョン 3.5 から 3.8 までがサポートされています。このブランドでは、32 ビットまたは 64 ビットモードの Solaris システムが稼働している x86 マシンおよび x64 マシンで、32 ビット Linux アプリケーションを実行できます。

lx ブランドは、Linux 2.4.21 カーネルで提供されるシステムコールインタフェースをエミュレートします。このカーネルは、Red Hat の RHEL 3.x ディストリビューションでの変更に従っています。このカーネルは、Red Hat によってリリースされた glibc バージョン 2.3.2 で消費されるシステムコールインタフェースを提供します。

また、lx ブランドは、Linux の /dev/proc のインタフェースを部分的にエミュレートします。


注意 – 注意 –

lx ブランドゾーンにパッケージを追加する場合は、サポートされている構成を維持する必要があります。詳細は、「サポートされている構成の保守について」を参照してください。


アプリケーションのサポート

Solaris システムでは、lx ブランドゾーン内で実行できる Linux アプリケーションの数は制限されていません。十分なメモリーを使用できることが必要です。「システム要件と容量要件」も参照してください。

配下のカーネルに関わらず、実行できるのは 32 ビット Linux アプリケーションだけです。

lx ゾーンでは、ユーザーレベルの Linux アプリケーションだけがサポートされます。Linux デバイスドライバ、Linux カーネルモジュール、または Linux ファイルシステムを lx ゾーン内から使用することはできません。

lx ブランドで正常に実行された実績のあるいくつかのアプリケーションのリストについては、「http://hub.opensolaris.org/bin/view/Community+Group+brandz/applications」を参照してください。アプリケーションのインストール例については、lx ブランドゾーンにアプリケーションをインストールする方法」を参照してください。

lx ゾーン内部で Solaris アプリケーションを実行することはできません。ただし、lx ゾーンを使用すると、Solaris システムを使用して Linux アプリケーションの開発、テスト、および配備を行うことができます。たとえば、Linux アプリケーションを lx ゾーンに配置し、大域ゾーンから Solaris ツールを実行してそれを解析することができます。その後、改善を加えチューニングしたアプリケーションを、ネイティブな Linux システムに配備することができます。