Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

大域ゾーンによってデータが挿入されているファイルシステムをゾーン管理者がマウントする場合

非大域ゾーンの初回起動時にファイルシステム階層内にファイルが存在している場合は、そのファイルシステムデータが大域ゾーンによって管理されていることを示しています。非大域ゾーンがインストールされたときに、大域ゾーン内のいくつかのパッケージファイルがそのゾーン内に複製されています。これらのファイルは zonepath ディレクトリの下に置かれている必要があります。ゾーンに追加されているディスクデバイスや ZFS データセット上にゾーン管理者によってファイルシステムが作成され、そこにこれらのファイルが置かれている場合は、パッケージとパッチの問題が発生する可能性があります。

大域ゾーンによって管理されているファイルシステムデータを、ゾーンにローカルなファイルシステムに保存する場合の問題は、ZFS を例にとって説明することができます。ZFS データセットが非大域ゾーンに委任されている場合、ゾーン管理者は、大域ゾーンによって管理されているファイルシステムデータの保存のためにそのデータセットを使用するべきではありません。構成にパッチやアップグレードを正しく適用できなくなります。

たとえば、委任されている ZFS データセットを /var ファイルシステムとして使用するべきではありません。Solaris オペレーティングシステムでは、/var にコンポーネントをインストールする主要パッケージが提供されています。これらのパッケージは、アップグレードやパッチの適用時に /var にアクセスする必要がありますが、委任されている ZFS データセットに /var がマウントされているとそれが不可能になります。

大域ゾーンによって制御されている階層の部分の下にファイルシステムをマウントすることはサポートされています。たとえば、大域ゾーンに空の /usr/local ディレクトリが存在している場合、ゾーン管理者はそのディレクトリにほかの内容をマウントすることができます。

非大域ゾーンの /export などのように、パッチやアップグレードの適用時にアクセスする必要のないファイルシステムには、委任されている ZFS データセットを使用することができます。