パッチ 119254-41 および 119255-41 以降、patchadd と patchrm のパッチインストールユーティリティーが変更され、機能を提供する特定のパッチの処理方法が変わりました。この変更は、これらのパッチをどの Solaris 10 リリースにインストールする場合にも影響を与えます。これらの遅延起動パッチによって、Solaris 10 3/05 リリース以降の各 Solaris 10 リリースに関連するカーネルパッチなどの機能パッチで提供される、大規模な変更の処理能力が向上します。
遅延起動パッチは、実行中のシステムの安定性を保証するためにループバックファイルシステム (lofs) を使用します。パッチが実行中のシステムに適用されると、lofs はパッチプロセス中の安定性を保持します。これらの大規模なカーネルパッチは必ずリブートを必要としますが、この必須リブートで lofs による変更がアクティブ化されるようになりました。パッチの README には、どのパッチでリブートが必要になるかが説明されています。
非大域ゾーンを実行しているか、lofs を無効にしている場合は、遅延起動パッチをインストールまたは削除する際に次の点を考慮してください。
このパッチ操作を行うには、すべての非大域ゾーンが停止される必要があります。パッチを適用する前に非大域ゾーンを停止してください。
遅延起動パッチには、ループバックファイルシステム (lofs) が必要です。Sun Cluster 3.1 または Sun Cluster 3.2 を実行しているシステムでは、lofs が有効になっていると HA-NFS 機能が制限されるため、lofs がオフになっている可能性があります。このため、遅延起動パッチをインストールする前に、/etc/system ファイルの次の行を削除するかコメントにして、ループバックファイルシステムを再び有効にする必要があります。
exclude:lofs |
その次に、システムをリブートしてパッチをインストールします。パッチのインストール操作を完了した後、/etc/system ファイルから同じ行を復元するか、コメントを解除します。そのあと通常の操作を再開するにはリブートする必要があります。
Solaris Live Upgrade を使用してパッチの管理を行うと、実行中のシステムへのパッチに関連する問題を防ぐことができます。Solaris Live Upgrade は、パッチの適用に伴う停止時間を短縮し、問題発生時のフォールバック機能を提供してリスクを低減します。システムがまだ本稼働していても、アクティブでない起動環境 (BE) にパッチを適用したり、新しい BE で問題が発見された場合、元の BE に戻って起動することができます。『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「パッケージまたはパッチによるシステムのアップグレード」を参照してください。