インストール済みの Solaris システムのイメージを Flash アーカイブツールを使用して作成し、ゾーンに直接移行することができます。
イメージを作成する前に、ゾーンで実行するすべてのソフトウェアを含む完全なシステムを構成できます。その後、このイメージは、ゾーンのインストール時にインストールプログラムによって使用されます。
ZFS ルートを持つ Solaris 10 システムの Solaris フラッシュアーカイブ (flar) を作成する場合、デフォルトでは、flar は実際には ZFS send ストリームであり、これを使用してルートプールを再作成できます。このイメージは、ゾーンのインストールには使用できません。システムに ZFS ルートがある場合は、明示的な cpio または pax アーカイブによる flar を作成する必要があります。
flarcreate コマンドを -L archiver オプションとともに使用し、ファイルのアーカイブ方法として cpio または pax を指定します。次の手順の 4 を参照してください。
flarcreate コマンド (flarcreate(1M) のマニュアルページを参照) を使用してシステムイメージを作成します。この手順例では、ターゲットの Solaris システムにフラッシュアーカイブを配置するために NFS を使用しますが、ほかの方法でファイルを移動することもできます。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
アーカイブする移行元システムにログインします。
ディレクトリをルートディレクトリに変更します。
# cd / |
移行元システムで flarcreate を使用して s10-system という名前のフラッシュアーカイブイメージファイルを作成し、そのアーカイブを移行先システムに配置します。
source-system # flarcreate -S -n s10-system -L cpio /net/target/export/s10-system.flar Determining which filesystems will be included in the archive... Creating the archive... cpio: File size of "etc/mnttab" has increased by 435 2068650 blocks 1 error(s) Archive creation complete. |
移行先のマシンは、/export ファイルシステムに対する root 書き込みアクセス権を必要とします。ホストシステム上のファイルシステムのサイズによっては、アーカイブが数 G バイトのサイズになることがあるため、移行先のファイルシステムには十分な空き容量が必要です。
場合によっては、flarcreate の実行時に cpio コマンドからのエラーが表示されることがあります。もっとも多いのは、「File size of etc/mnttab has increased by 435」のようなメッセージです。これらのメッセージがログファイルまたはシステム状態を反映するファイルに関連するものであれば、無視してもかまいません。必ずすべてのエラーメッセージを確認してください。
別の方法を使用してアーカイブを作成することもできます。インストーラは次のアーカイブフォーマットを受け入れることができます。
cpio アーカイブ
gzip で圧縮された cpio アーカイブ
bzip2 で圧縮された cpio アーカイブ
-x xustar (XUSTAR) 形式で作成された pax アーカイブ
ufsdump レベル 0 (完全) バックアップ
インストーラは、ファイルのアクセス権、所有権、およびリンクを保存および復元するアーカイブユーティリティーを使用して作成されたファイルのディレクトリのみを受け入れることができます。
詳細は、cpio(1)、pax(1)、bzip2 (1)、gzip(1)、および ufsdump(1M) のマニュアルページを参照してください。
フラッシュアーカイブ以外の方法を使用して P2V 用アーカイブを作成する場合は、アーカイブを作成する前に、移行元システム上でプロセッサ依存の libc.so.1 の、lofs でマウントされたハードウェア機能 (hwcap) ライブラリをマウント解除する必要があります。それらをマウント解除しなければ、そのアーカイブを使用してインストールしたゾーンが移行先システムで起動しない可能性があります。アーカイブの作成後に、lofs と mount -O オプションを使用して、/lib/libc.so.1 上に適切なハードウェア機能ライブラリを再マウントできます。
source-system# unmount /lib/libc.so.1 source-system# mount -O -F lofs /lib/libc.so.1 |