Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

資源上限制御のしくみ

資源上限デーモンは、物理メモリー上限が定義されたプロジェクトの資源使用率を定期的にサンプリングします。このサンプリング間隔は管理者が指定できます。詳細は、「サンプリング間隔の決定」を参照してください。システムの物理メモリー使用率が上限実行しきい値を超え、ほかの条件にも適合する場合、資源上限デーモンは、物理メモリー上限が定義されたプロジェクトの資源消費をその上限以下に減らします。

仮想メモリーシステムは物理メモリーを複数の「ページ」に分割します。「ページ」は、Solaris メモリー管理サブシステムにおける物理メモリーの基礎となる単位です。データをファイルからメモリーに読み取るとき、仮想メモリーシステムは 1 度に 1 ページずつ読み取ります。この動作のことを、ファイルの「ページイン」と呼びます。資源消費を減らすとき、資源上限デーモンは、あまり使用されていないページをスワップデバイス (物理メモリーの外にある領域) に再配置します。この動作のことを「ページアウト」と呼びます。

物理メモリーを管理するために、資源上限デーモンは、プロジェクトの作業負荷の常駐セットのサイズを、作業セットのサイズに対して調節します。常駐セットとは、物理メモリーに常駐するページのことです。作業セットとは、作業負荷がその処理サイクル中にアクティブに使用するページのことです。作業セットは、プロセスが動作するモードや処理するデータの種類に応じて、そのときどきで変化します。すべての作業負荷がその作業セットの常駐に十分な物理メモリーにアクセスできるのが理想です。しかし、作業セットは、物理メモリーのほか、二次ディスク記憶装置にも格納することが可能です。

rcapd は 1 度に 1 つのインスタンスしか実行できません。