Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

プロジェクトの RSS の監視

この例では、プロジェクト user1 の RSS が上限を超えています。

次のコマンドは、5 つの報告を 5 秒間のサンプリング間隔で生成します。


user1machine% rcapstat 5 5

    id project  nproc    vm   rss   cap    at avgat     pg  avgpg
376565   user1      3 6249M 6144M 6144M  690M  220M  5528K  2764K
376565   user1      3 6249M 6144M 6144M    0M  131M  4912K  1637K
376565   user1      3 6249M 6171M 6144M   27M  147M  6048K  2016K
376565   user1      3 6249M 6146M 6144M 4872M  174M  4368K  1456K
376565   user1      3 6249M 6156M 6144M   12M  161M  3376K  1125K

プロジェクト user1 は 3 つのプロセスを持っており、それぞれがアクティブに物理メモリーを使用しています。pg 列の正の値が示しているとおり、rcapd は、このプロジェクトのプロセスの物理メモリーの使用率を上限に合わせて下げようと、メモリーをページアウトし続けています。しかし、rcapd は RSS を上限値未満に保つことに成功していません。これは、rss 値が相応の減少を示していないことでわかります。作業負荷はメモリーをページアウトするとすぐにまたメモリーを使用しており、その結果、RSS の値がまた上がってしまいます。これは、プロジェクトの常駐メモリーがすべてアクティブに使用されており、かつ、作業セットサイズ (WSS) が上限よりも大きいことを意味します。そのため、rcapd は、上限に合わせて作業セットの一部をページアウトせざるを得ません。この状況では、次のうちのいずれかが起きるまで、システムのページフォルト率および関連する入出力は高いままです。

この状況では、サンプリング間隔を短くすることで、RSS 値と上限値の差を小さくできる可能性があります。rcapd が作業負荷をサンプリングして上限を制限する頻度が上がるからです。


注 –

ページフォルトが発生するのは、新しいページを作成する必要があるとき、あるいは、システムがスワップデバイスからページをコピーする必要があるときです。